増幅魔法!
起床。いつものメニューをこなしてから、座学の教室へと向かう。
「おはよー!今日も魔法の練習!座学はないよ!ただ皆が大体魔法を使えるようになったら、この世界のこととかも教えていくからね!まあ私が教えるんじゃないけど……とりあえず今は魔法を習得することに専念して!あと前衛志望の人達も魔法はちゃんと使えるようになってて!近接攻撃だけだと、攻撃方法の幅が少ないからね!」
まあ心配ないか、と笑うマールさん。まあ皆魔法を出せるのが楽しくてしょうがないだろうからな。はっは。
「あ、あと前衛組の人お昼ご飯終わってから訓練場に向かえって!アルゴンさんが言ってた!それじゃ朝礼終わりー!先生呼んでくるね!」
マールさんが出て行く。さて固有魔法について聞かないとな、追いかけるか。
クラスメイトは話してるから目立つ事はないだろう……よし。
教室から出て、マールさんをおいかける。
「マール先生!」
「は、はい!えっと……属性魔法が使えない子!」
その呼び方はやめてくれ……
「固有魔法について教えて欲しいんですけど……主に出し方とか。」
「そうだね…確かに固有魔法しか使わないもんね。分かった!それじゃー教室に残っといて!」
そういうとマールさんは走っていく。取りあえず教えてもらえるのかな?
とりあえず教室に戻るか。
――――――――――――――――――
昨日のように、四属性が教室から出て行った後。
「さて、聖魔法組の皆さん!昨日と同じ場所に先に行って、昨日の復習しといて!」
そうマールさんが言うと、聖魔法組が教室から出て行く。
残ったのは、俺とマールさんのみ。
「よーし、特別授業ってやつかな!固有魔法は皆が属性魔法を習得してからやろうと思ってたんだけど、特別だよ!」
「はは、なんかすいません。」
「いいんだよ!生徒の情報見てなかった私が悪い!えっとそれじゃ君の固有魔法は、結論から言うと……分かりません!」
……え?
「うん、予想通りの反応ありがとう!まあ固有魔法ってのは、本当に色んなものがあってね……どんな魔法かとか私達は分からないんだよ。そういうことだから、今日は君の固有魔法について王立図書館に行って調べてこよう!ってことで!」
なるほどね……
「載ってない場合とかはあるんですか?」
「そうだね・・・報告だと、生徒の中にそんな異例の魔法はなかったと思う。ただ無くても、能力の名前に合わせて魔力を変化させるイメージで魔力を放出すると、自然とその固有魔法が発現するよ!詠唱とかもそれに合わせて行うと言った感じ!まあ基本は、過去の文献から詠唱とか、魔力をどれだけ使うかとか、どんな魔法が使えるかとか分かるからね・・・どんな魔法か分かったら、イメージもしやすいでしょう?」
「そうですね。分かりました、それじゃその図書館はどこにあるんですか?」
「近くだけど……ふふ、案内しよう!」
「?分かりました。」
――――――――――――――――――――――――――――
そうして、やけにテンションが上がったマールさんについていくこと十分。
目の前に、巨大な建造物が建っていた。
……すげえ……なんだこれ、どっかの大学の図書館よりでかいな。
この中全部図書館なのか。
「ふふ、すごいでしょー!この中には私の本もあってね……ふふ。それじゃ、この中に固有魔法の文献があるから頑張って探して!じゃあね!」
自慢した後逃げるようにどこかへ行くマールさん。とりあえず入るか……
うん。すごい静かだ・・・はは、マールさん苦手そうだなここ。さっきの様子はそういうことか。
そして周りには、いかにも老齢の魔法使いといった人達がちらほらといる。
それにしても、壁一面本、もちろん中もびっしりだ。しばらく奥に行くと、大きな机とイスが並んでいる。とりあえず固有魔法について書かれている本を探すか……
探す事一時間。やっとそれっぽい物を見つけた。魔法についてまとめてある場所を見つけてからはすぐだったな。
題名は『世界の固有魔法』。とりあえずこれを読む。
凄く分厚い。中は固有魔法一つずつに詳しい記述が載っている。これは期待できそうだな。
えっと支援系の……ぞ、ぞ……あった。増殖魔法なんてものもあるのか……えっと増幅……あった。
『増幅使い』ではないが、過去のものだし名前も変わるだろう。
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『増幅魔法』
増幅魔法とは、その名の通り、自身以外の対象が使う魔法を増幅させる能力である。
対象の相手が属性魔法などを発動した際、その魔法を増幅させ、威力を段違いに強化することができる。
詠唱などは特になく、杖や手などで対象に触れて、対象に魔力を流し込むイメージで魔力を放出する。そして対象が魔法を発動すると、増幅魔法が発動する。この時の自身の魔力減少量は、対象が発動した魔法と、自身が放出する魔力によって変化する。
過去の増幅魔法の使い手は一人しか過去にいなかったためあまり情報がないが、使い手が初級火魔法であるファイアーボールにこの魔法を使用すると、術者の通常の火球のサイズより何十倍も大きくなったという。この時、使い手の魔力減少量は、対象が発動した際に消費した魔力の十分の一程度であった。
この魔法は、単純に他者の魔法の威力を増加させるのはもちろん、魔力消費が少ないのも強い点の一つであると言えるだろう。
―――――――――――――――――――――――
……うん、こんなもんだ。これ練習とかできるタイプじゃないよな……
それでも、思っている以上にこの魔法は強かった。サイズが何十倍って凄いことが書いてある。しかも魔力消費量が少ない。
本当に支援能力が高い魔法だ。
でも、十分の一といっても魔力は結構必要そうだな。
よし!部屋に戻って魔力増加の特訓だ。
多分、魔力を増やすことが一番この魔法に繋がるだろうからな。
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