属性魔法は使えない!

朝、顔を洗ってから食堂へと向かう。


朝食は果物と肉?とパンでした。美味しい。


……ごちそうさまでした。


大分早く来たせいか、人はまた誰もいない。さて、ランニングでもいくか…


―――――――――――――――――


筋トレまでやり終えてから、そろそろ始まるであろう座学の教室へ向かう。


っと、もう皆いるみたいだな。着席。


今日もマールさんが入ってくる。


「おはよー!座学の時間は少な目にして、属性魔法の練習するからね!」


おっと…俺はそれできるのか……?


「今日は魔力についてもう少し詳しくやっていくよ!」


まとめると。


魔力は、魔法を使えば使う程じょじょに増えていく。本当に微量だが。


もし魔力を使い果たしてしまうと、身体を纏っている魔力も当然無くなってしまう。


その状態は非常に危険であり、魔力を使い果たした時点で身体に激痛が走り、まもなく意識を失う。


そのため、無理に魔法を使いすぎないよう、練習中にも気をつけろとのこと。


また魔力は自然と回復していく。この回復量は、魔力量が多いほど多くなる。


魔力がなくなった場合、一定の魔力量になるまで意識を失う……と。

基本魔力回復薬を常備するのが魔法使いの常識である。


また魔力がほぼない状態になると、自然と体で感じ取れるらしい。

練習中に魔力の枯渇を感じたら、すぐに休憩を行えとのこと。


固有能力の中の固有魔法(氷魔法など)は魔力を多く使う傾向があるため、固有魔法だけでなく、基本属性魔法もきちんと使えるようにならないといけない。


属性魔法には相性があり、基本的に水は火に、土は風に、風は水に強い。聖属性は、魔人族の扱う闇属性に強い。なので、扱える属性数が多いほど敵と有利に戦える。ちなみに火が強い属性はないが、威力が他の属性と比べ大きい。





「そういうわけ!それじゃこれから属性ごとに分かれて練習するからね!基本的に一番属性魔法適正が高かった属性を最初に習得したほうがいいよ!感覚がつかみやすいから!」


属性ごと……俺はどこへいけば……


「みんなその属性のプロみたいな人ばっかりだから!それじゃ呼んでくるね!」


しばらくした後、マールさんと四人の魔法使いっぽい人がでてくる。


それからは三人の自己紹介が行われ、流れるように四属性ごとに分かれてここから出て行ってしまった。


この間俺は頭が真っ白になってました。


残ったのは聖属性を希望する人のみ。ちなみにこの属性が一番少なかった。


「よーし、それじゃ皆ついてきて!私はこうみえて聖属性のプロなのだー!はっはっは」


皆がマール先生についていく。ここを出る前に言わなくては……よし!


「先生!俺属性魔法全部使えないんですけど!」


……うん、みんな黙るのやめよう。まだ笑ってくれたほうがいいよ!


「え」


マールさんも固まってるし…


「そ、そうなの?私勝手に皆二属性以上あるって思ってた…報告にもそうあったし……あ」


ん?


「なんか属性魔法ない子が一人ってかいてたような……」


おい!


「ごごごめんね!ちょっと待ってて!あーどうしよどうしよ」


こうなったら、俺だけ違うことしないとだめってことか。そうだな……


「あの、魔力を増やす方法って魔法使う以外にないんですか?あったらそれ今日やっとくんで!」


「うううん、君固有魔法しか無かった子だよね!たしかに、魔力を増やすのは大事!大事だね!属性魔法ないし!」


なんか混乱してるような……あと地味に傷つく!


「色々あるにはあるんだけど……昨日魔力をそのまま出してたよね?その魔力のを好きな形に変形させる練習とか!」


「分かりました!それやっとくんで!どうぞいってください!」


みんなの目線が痛いんだよ!特に樹の心配そうな視線!目見えてないけど!


「わわ分かった!それじゃ頑張ってね!」


マールさんとクラスメイトが去っていく。


……


「はあ・・・」


ため息ひとつ。それじゃ魔力の形を変形させるんだっけ?やりますか!


ほんとにそんなんで増えるのかね……


――――――――――――――――――――――


うん、難しい。出す事はまあできるんだが、それを形にしようとするとだめだ。


多分魔法は詠唱で補助してくれるからこそ、多彩な魔法を打てるんだろうが、これに詠唱はない。


あと俺の魔法適正も関係しているだろう。


そして、魔力がなくなりそうだ。感覚でいうと、さっきまであったのがさっぱりなくなった感じ。ちょっと気持ち悪い感じもする。車に酔った感じか?


これ以上やると倒れるんだろうな……もうこれはやめておこう。


……さて、時間的にはまだ一時間もたってないんだけども。

俺の魔力量、低すぎ……



あーだめだ弱気になっては!自然回復したらまたやるぞ!


それまではスタッフで素振りでもするか?鈍器として使えるって言ってたし。


場所は……もう自室でいいか。



――――――――――――


やっぱり素振りといってもやり方があるのか、思うように鍛えられている気がしない。


これは誰かに教わる必要があるか。


昼食を魔法談義で盛り上がっているクラスメイト達の横でさっさと平らげてから、自室に戻って魔力の変形の練習をする。


魔力がなくなったら素振り。以下ループ。


夜も一人でさっさと食べて、ランニングと筋トレだ。


……うん、俺も魔法出したいよ……


明日は誰かに素振りだけでも教わってこようか。騎士団の人たちの誰かでいいだろう。

それと俺の固有魔法の出し方も教えてもらおう。これはマールさんでいいか。


明日やることも決めたし寝よう!おやすみ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る