第2話揺れる
「今井さん?」
「えっ?あぁ~、行きます。」
「本当‼良かった~俺、断られると思ったから嬉しい。」
「何でですか⁉桐山さんとは長い付き合いですから断る理由なんてないですよ‼」
「そう?じゃ、行こうかぁ‼俺のオススメ紹介するよ‼」
「本当ですか⁉ありがとうございます。楽しみ!!」
私は、デスクを片付け鞄を持つと彼と一緒にフロアーを出る。会社を出て、軽く歩くこと数分の所にオシャレな洋食レストランがあった。
「わぁ~オシャレですね‼しかもこんな近くにあったなんて‼」
「いやいや、何か恥ずかしいなぁ~‼ここ、すっごく美味しいパスタあるんだよ‼俺の嫁も好きなんだ。」
そう言うと、私は少しグッサときた。奥さんが好きな所に連れて来るなんて・・って思いながら店に入ると、内装がまたまたオシャレだった。今どきの女子が喜びそうな雰囲気で定員さんもオシャレだった。
奥の個室に案内されると、彼がいつものコースでお願いします。と言う。
「あっ、今井さんは食べれない物とかある?」
「いえありません。」
「そっかぁ~、良かった。」
数分経ち、定員さんがお酒を持って来る。どうやら食前酒のようだ。グラスに注ぎ終わると消えた。
「じゃ、乾杯しようか?乾杯~。」
グラスを軽く合わせ飲む。
「うん‼美味しい!!すっごく飲みやすいですね‼」
「そうなんだよ‼飲みやすいから・・ついつい。」
「クスッ。気をつけないと危ないですね‼酔ったら大変。」
軽いジョーダンを言うと、
「いいよ。酔っても。」
「えっ?」
「酔ってもちゃんとお家まで送るから!!」
彼が優しく微笑むと、私は少し照れながら
「ありがとうございます。」
お礼を言うと、料理が運ばれてきた。一品一品、どれもオシャレで味も最高だった。お酒を飲みながら他愛ない話で盛り上がり楽しかった。ふと時計を見ると、終電が近くなり
「あっ、私そろそろ終電が・・」
「えっ?もうそんな時間!!ごめん。間に合いそう?」
「大丈夫です。駅近いし、走ったら間に合います。お会計、いくらですか?」
「いいよ‼俺から誘ったんだし‼しかもこんな遅くまで!!」
「いえいえ、そう言う訳には・・払います。」
「本当に大丈夫だから、時間大丈夫?」
「あっ!!じゃ、今度会った時に言って下さいね‼」
「いいよ気にしないで‼遅くまでありがと。楽しかったよ。」
「私も楽しかったです。では、お言葉に甘えてありがとうございます。お休みなさい。」
私は、少し小走りに駅に向かう。何とか終電に間に合い乗ると、普段は絶対に座れないのに終電とあって比較的に空いていたので座る。鞄から音楽プレイヤーを出して聴くと、少し景色が違って見えた。
やっぱり、好きなんだと思いながら彼は奥さんがいると自分に言い聞かせた。駅を降り、家に向かう。家に着くと、メイクを落としお風呂に入る。今日は、遅めの就寝。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます