第六章 その六
唯は目覚めた。見えるのは病室の天井。
どうやら知っている場所のようだ。
なんてひどい夢なんだろう。今までの夢とは全く違う。
未来ではなく過去の映像。いや、見たというよりも体験した。
そう表現するのが最も適しているように思えた。
「今も夢・・・なのかしら・・・」
そう言ってから全身に痛みを感じることで現実だと理解する。
「そう・・・今は現実なのね。」
痛む体に鞭を打つかのように上半身を起こし、体験・・・と言っていい過去の事柄を頭の中で整理していく。誰かに話したいが、こんな話を分かってくれる人なんて・・・
「一哉・・・」
様々なことが頭に浮かんでは消えていった。彼女は一人病室で泣いた。声も出さずに泣いた。
一輝は何も知らず、すやすやと眠っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます