幕間(8)

「美味しかった~♪」

金髪の少女は食事の後のお祈りを済ますと、浴室に。

髪を解いて、丁寧に洗うと香油で香り付けした蒸しタオルで躰を拭いていく。

夜着に着替えると、リビングに。

温めたオレンジジュースを受けとると、ソファに腰掛け、今日あった出来事を両親に聞かせて団欒を過ごす。

「じゃあ、お休みなさい。」

「早く寝るのよ!」

「はあい。」

返事も適当に、自室の寝台に向かう。

枕元のテーブルのランプをつけて、寝台に潜り込み、最近の日課である書物に目を通す。

栞を抜き、ページに視線を走らせる。

そろそろ、このお話も佳境に差し掛かっていて。

読みたいけれど、終わってしまう。

このもどかしさも、期待と充実の狭間も、今は愛おしい。

そして、結末を知るために少女は探求者になる…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る