幕間(6)

黄昏時、家路に着く少女

(今日はヒドイ目にあったなあ…第一、僕が情報通だなんてコレっぽっち思って無かったのに。というか、それすらマチガイで、あ~もう!)

ぶつぶつ、誰にともなく洩らす。

そうだ、こんな日も在る。

うん、明日はきっとイイ日に決まってる。

なんせ、疑いも晴れたしお詫びということでスイーツを奢るって約束したし。

せっかくだから、普段頼まないような変わりダネにするか、高いのに…それは可哀想かな?

ああ、輝ける明日に幸あれ‼

鞄は重いが、気分は軽い。

自然、足取りも。




「1班、状況は?」

「は、警部!目標ターゲットは、今のところ動きナシであります。」

「そうか、分かった。引き続き監視を頼む。」

「了解。」

ふう。

ポケットからオイルマッチを取り出し、握りしめる。


その時。

「ジェイムスン警部!動き在りです!目標、地点Aより南に。山高帽子ジェントルタクシーに乗り込みました。」

「解った。2班に引き継がせる。1班はプランCに。」

「プランC、了解。」


ぎゅっ


オイルの切れたマッチだが、大切なものだ。

「お祖父様…」

蛮勇とお叱りがあるだろうか?それとも…

いや、今は事件に集中すべきだ。


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