星逢う夜
使用お題:
笹舟が行き着く先
川に橋を掛ける誰か
夏草
片腕では足りない
七夕シーズンでした。最後に漫才してるの2人がシリーズの主人公ズ。
『星逢う夜』
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
笹舟が小川を流れてゆく。夏草の青い薫りがむせ返るような夜、小川の上に張り出すように、高床の素朴な小屋が神代の趣を残して佇んでいる。星月夜の下、その小屋からぎぃこ、ぱたり、と機織りの音が絶え間なく響いていた。棚機女(たなばたつめ)の乙女が神に捧ぐ聖布を織る音だ。
笹船の行き着く先には海が天まで続いている。天には白く烟るような無数の星々が大河となり、その上を笹船は聖布の端を括りつけて滑る。白く清い紗布がきらきらと光り、一連につらなる白鷲となって、天河に橋を架けた。
乙女たちは祈る。どうかこの布が天に橋をかけますように。
自分たちの守り神である織り姫が、愛しき背の君と逢えますように。
白鷺の輝跡にみちびかれ、半月の船が若い男を乗せて天を渡る。男は片腕で足りぬほどの願いを乗せた、五色の短冊を抱え妻のもとへ。一夜の星逢いを果たせる礼に、乙女たちの守護と技芸上達を妻に乞うのだ。
月が天を渡り終えれば、一年一夜の逢瀬が始まる。
乙女たちは織り続ける。夜が明け、後朝の別れを惜しむ男が再び河を渡り終えるまで。
「…………っていうのが七夕(棚機)伝説です」
「大嘘つくな! 色々ゴッチャじゃねぇか!!」
「女子はこの日、夜中の十二時に髪を洗うと、穢れが祓われ髪も美しくなるそうですよ」
「へえぇ、って! オメーは誰に言ってんだ! そして俺達は誰だ!! 名乗るどころか地の文もねーじゃねーか!!」
「仕方ないだろ、ラストもう一個のお題突っ込もうとして処理しきれなかったんだから。お題コンプも出来ずにイミフな幻想(っぽい)短文だけで終わると感じ悪いじゃん」
「いや、誰かわかんねー奴が突然出る方が感じわるいわ!!」
「あっ、ちなみに本物の伝説を色々ベースにしてますけど創作ですから。お間違えにならないようお願いしますね!」
終!
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ラスト色々とすいまっせんでしたァ!
日本の行事と大陸の伝説の習合らしいので、いろいろごっちゃで面白いですね、七夕。
日菜子「そうなんですか!? すごーい! ……ところで、織り姫と彦星は一晩だけ会って何するんですか?」
美郷「うん? ああ、えーと……まあ、愛を語り合う、かな?」
怜路「いや何誤魔化してんだ。要するにアレだ、やるこt……(強制終了)」
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