第3話
「やっぱりアリッサじゃないか」
宿の部屋に入った僕は、アリッサに向かって言った。
「ち、違うわよ! アリーナよ!」
必死で否定してるけど、一回だけ連れてきてもらった時もこの宿のこの部屋だったし……なにより、置いてある私物はどれもこれも見たことがあるものばかりだ。
「……はあ。どういうつもりなの?」
実際のところ、一度別れを告げたアリッサが戻ってくるのは僕にとってはメリットしかないが、アリッサにはメリットはない。というかデメリットだらけ。というか仲間になる予定だった奴らはどうした!
「ど、どういうつもりって……アリッサとかいう子は知らないけど、私は面白そうだから組んであげたのよ! そう、そういう事よ!」
「へえ」
面白半分でパーティーをね。
ここで補足しておきたいことがある。パーティーを組むのには、ギルドの承認というものが必要だ。そしてギルド公認のパーティー編成施設が『パーティー組合所』って訳だ。そして、パーティーというものにはいくつかの制約がある。
1つ、強制でないこと
2つ、4人以内であること
3つ、解散は編成後3ヵ月以降であること
4つ、3つ目に関しては、特例あり
5つ、パーティーメンバーは助け合わなければならない
6つ、生産職と戦闘職の報酬獲得割合の最低は2:8とす
と、いうふうなものだ。4については、例えばメンバーが犯罪を起こした場合や、犯されそうになった場合など、解散するに足るべき行為を行った場合は、3が適用されずに即解散となる。
つまりだ。
「アリーナ。三ヶ月解散できないんだぜ?」
知らなかったとか後でごねられないために、早々と言っておく。今言っても後で言っても解散できないのは変わらないが、早めに行っておくに勝ることは無い。
「……っ!?」
って何驚いた顔してんだ、おい。
まさかほんとに知らなかったとかあり得ないよね? 僕とアリッサが解散できたのは何年も前にパーティー組んでたからだよ?
「……一つだけ言っておくと、今の僕の全財産はこれだけだ」
そう言って、ポケットから500Gをとりだす。ちなみに、薬草集めは1ダース50Gだったから、昨日よりも増えてるってわけ。
「大銅貨4枚と銅貨10枚だから…………」
「500Gね。わかる? どんくらいの金額か」
「そ、そのくらい私だってわかるわよ! ここの1泊3食付きが1100Gだから……泊まれる? ……いや、泊まれないわ!」
アリッサはドヤ顔を浮かべている。
皆さんおわかりいただけただろうか? そうなんです。この子アホの子なんです。ちなみに、ここの宿代は一部屋800G、1食100Gという値段。前の宿の1晩は100G。食事は50G。ちなみに、ここの宿は鍵付きの水飲み放題だ。
「……うん。パーティーメンバーは、なんだっけ?」
「助け合わなければならない」
「アリッサの……じゃなくて、アリーナの持ち金は?」
そう聞くと、アリッサは豊満な胸の間から袋を取り出した。何やってんだこいつは。
「えーと、えーと……金貨が5枚と大銀貨が9枚と銀貨が8枚かな?」
おいおい、アリッサよ。大銅貨と銅貨も数えてやりなさいよ。
結局数えてみたところ、59,8640G(59万8640ゴールド)あった。
「……半分こだよね?」
「え!? なんでそうなるの!?」
「パーティーメンバーは?」
「助け合わなければならない……うー! 半分にしたらいくらになるの?」
えっ、まじで半分こにしてくれるの?
「えーと、じゃあ、僕は金貨3枚でいいよ。アリッサが後の硬貨は貰って」
「アリーナ! ……でも、こんなにたくさん貰ってもいいの? 半分でしょ?」
うん。全然構わないよ。僕の方が少し、いや、大分貰ってるんだから。
無言で頷くと、右の腕になにやら柔らかい豊満な感触を感じた。壊れたドアのようにカクカクしながら首をそちらに向けると、そこには二つの双丘があった。
「ありがとね……バーベル」
「う、うん」
非常に申し訳ない。いや、でも考えて欲しい。僕がアリッサと今まで組んでいたときに8割はアリッサが取っていってたんだ。だから、これは正当なやつなんだよ。うん。
さて、ここで一つ追記しておこう。僕は一度、こいつ。アリッサに襲われかけたことがある。性的な意味で。確か二年前。僕もアリッサも13の時だ。そして、それが僕達のパーティーの軋轢をうむことにもなったんだ。
その時はまだアリッサは横暴ではなかった。いや、横暴でなかった訳では無いけど、僕を奴隷のように扱い事はなかった。
しかし、ある夜。そう僕がこの部屋にアリッサに呼ばれ初めて来た日、アリッサは僕に酒を飲ませた。もちろん、アリッサも飲んだ。
酒と言っても、大人が飲むような強いものじゃない。子供に飲ませるための弱いアルコールの酒だ。そして、アリッサはそれを煽る度に顔を赤らめた。アリッサは自分がアルコールに弱いことを知っていたはずだ。なのにも関わらず、のみつづけたのだ。そして、挙げ句の果てには僕のすきをついて気絶させ、真夜中に目が覚めると両手両足らベッドに括りつけられていた。
なにやら重いものが僕の上に乗っかってると思ったら、そこいたのは僕の股間を今にも握り潰そうとするアリッサ。 恐怖で打ち震えたよ。結果、酔いつぶれたのか僕の息子を握りしめたままに就寝。縛られてる僕は何も出来ずにただ握りつぶされたくない一心で神に願っていた。
そして、夜明け。差し込む太陽光で目覚め、すっかり酔いも覚めてしまっているアリッサは握っているものを寝ぼけなまこでガン見した。そして、こう呟いたんだ。
「美味しそう」
ってね。食われるかと思ったよ。僕の息子が。あの凶暴な歯でガブリとやられるのかと。でもそれは避けられたが、悲劇は続いた。。次第に目が開いてきたアリッサはそれが僕の生ち○だとわかると、悲鳴をあげながら叩いたのだ。
後にこのことを僕は、【オーマイリトルボーイ事件】と名付けた。
なぜこの事件を追記したか教えてあげようか?
なんか、アリッサが酒臭いんだ。
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こんばんはっす!
ほかのかけって言われそっすけど、適当にかけるのが欲しかったっす!
オーマイリトルボーイって大丈夫っすかね? まあ、いいっすよね。OKす!
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