第2話
次の朝、僕は急いで『パーティー組合所』に向かった……訳ではない。急いで向かっても昨日要請したばかりだ。まだまだ来てないかもしれない。
てな考えで、僕は薬草を集めに行くことにした。何故かって? 薬草つみは、10級クエストの上に安全だからだ。
あ、僕は10級だから、9級までしか受けられないんだ。あ、ちなみに、10級が一番下で一番上が1級。もっと上には、段っていう奴があるらしいけど、僕には関係ないからよく知らない。
薬草をとるために、街の西門から外に出た。西門は比較的安全で、ミニゴブリンくらいしか出ない。東は、ゴブリンとかが出るんだ。
「1、2、3、4、5………あと、7本か」
薬草の納品は、1ダース。つまり、12本で受け付けられると決まっている。今日で僕は、薬草つみ20回目のクリア。9級に上がるってことだ。級があがれば、微々たるものだが報酬が増える。まあ、良いもんだよ。
それから更に、一時間ほどかかって12本すべて採り終わった。
「終わったぁー! 昼か……ご飯……は、拾っておいた食用草を食べるからいいとして、『パーティー組合所』に行くか!」
ああ、心配しないでほしい。この食用草は、一本食べるだけでその日のエネルギー源の3分の1を補給でき、腹も満腹近くになる。つまり、これを三食食べたら完璧ってことだ。しかも、これはどこにでも生えるからね。
まあ、食えるもんならって文句がつくんだけど。この食用草……まあ、皆さんご察しの通りクソまずい。しかも、一日に何本食べるかで不味さが変わってくる。もちろん、悪い方へ。1本だと、吐くくらい。2本だと、はいて漏らすくらい。3本だと、いかれるらしい。さすがに食べた人はいないけども。
ま、つまり、1日1本だけならいけるってわけだ。あ、補足だけど、ほんとに吐くわけじゃないよ? 吐きたくなるくらいまずいってことだよ?
~~~
そんなこんなで『パーティー組合所』につきましたとさ。
「あのすみません。昨日、参加申し込みしたものですが」
「ああ、生産職の…」と、受付のお姉さんは頷いた。嫌な覚えられ方だ。
「実は……」と、お姉さんは何やら紙を取り出しながら続ける。
「あなたの参加OKの方がいたんですよ! 戦闘職の方、一人でやっている方です!」
「ま、まじですか!?」
「まじのまじの、おおまじです! 私もびっくりですよ!」
いやそこは驚くなよ。という言葉は飲み込み、その戦闘職の人について聞いてみた。
「ああ……えーと、なんというか……頑張れって感じですかね。では、マッチングは三号室になりますので……さよーならー」
「ええ! 不安しかないんですがっ!」という言葉に耳を貸さずに、お姉さんは次の客へと移っていった。
「ここが3号室か……」
受付から、五ブロック右に行ったところが三号室。座ってたおばあちゃんに聞いたら、そう言ってた。……おばあちゃんは誰とマッチングするつもりなんだろうか。
まあ、そんなことはどうでもいい! 意を決して、ドアを開け部屋に入る。
と、そこに居たのは、ブロンドの髪をモジモジと弄りながら、青い透き通った大きな目をぱちくりさせている女の子………
「………アリッサ?」
「へっ! な、なんっ……ごほん、アリッサって誰のことです?」
一瞬、驚いた表情になったアリッサらしき女の子は誤魔化すように僕にそう言った。
「いや、アリッサでしょ」
「ち、違うし! 私は、えと……アリーナよ!」
えと、って言っちゃってるし。バリバリ偽名じゃん。
「で、アリッサ何してるの?」
「だーかーらー、アリーナだって! 私はアリッサとか知らないの!」
ほう……あの、傍若無人で人の話も聞かずに魔物の群れへツッコミ、最終的に#MPK__モンスタープレイヤーキル__#を僕へと行うアリッサではないと?
「ふぅん。……で、どうして生産職を?」
「そ、それは……気分よ!」
「失礼。ほかの人を探します」
僕は椅子から立ち上がる。気分で生産職と組もうなんて、流石に駄目だろう。アリッサらしいっちゃらしいが。
「ちょっと! 待ってよ! あなた私が組まなくて組む人いるの?!」
「うっ……」
その言葉につい渋い顔になってしまう。確かにアリッサの言う通り、生産職の僕と組むやつなんていないだろう。
「いないんでしょ? だからこの、アリーナがパーティー組んであげるって言ってるの!」
「いや、アリッサでしょ?」
「アリーナ! アリッサなんて私は知らない!」
あくまでもアリーナを貫き通そうとする、アリッサを見ていると何故か小さい頃のことを思い出してしまった。
「ふふっ……分かったよ。よろしく、アリーナ」
「え、ええ! よろしくね! バーベル!」
「あれ? なんで僕の名前知ってるの?」
「そりゃ、長いことっとっと……パーティーの申込書に書いてたからよ!」
相変わらず設定が甘いみたいだ。……ていうか、何でわざわざこいつは別れを告げた僕と? って考えてもわからんし、聞いても言わんか。嫌がらせではないことだけを祈ろう。
「りょーかい。じゃあ、一旦、アリーナの宿に行こうか」
「ええ! な、なんで私の宿に! バーベルの宿でもいいじゃない!」
「はっ、一人の生産職が宿代を払えるとでも?」
いや、ぎりぎり払えるけども。
その答えに、アリーナはなにか心を痛めたような仕草をほんの少しした。
「……こっちよ」
まあ、ついた先はアリッサが泊まってたところと一緒だったんだけどね。
ーーーーーーーーーー
( ・ω・)ノ゙ バンチャ
眠いっす。読みにくかったら教えてっす。
息抜きに書いてるっす。いろんな書き方試してるっす。これは、一人だけの視点っす。おやすみっす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます