アンラッキーさんとの日常

名田らい

アンラッキーさんとの日常


*ボスとの出会い


ボス「ボクはアンラッキービースト。キミの名前を教えて」


かばん「アンラッキーさんですね。ぼくはかばんって言います」


ボス「ヨロシク、バッグ」


かばん「え? かばん、ですけど……?」


ボス「バッグ」


かばん「いえ、かばんです」


ボス「バッグググググググゥー!」バチバチ


かばん「アンラッキーさん!?」


サーバル「ボスはすぐこうなっちゃうんだよね。いつものことだよ」


かばん「そ、そうなんですか? バチバチ身体中光っていますけど、大丈夫なのかな……?」


サーバル「大丈夫だよ。すぐボカンってなるから」


かばん「ボカン?」


ぼっかーん!


かばん「爆発!? アンラッキーさーんっ!?」


ボス「ダイジョウブ、ヨクアルコトダヨ、バッグ」プスプス


かばん「よ、良かった……平気だったんですね。あと、ぼくはかばんです」


ボス「ヨロシク、バッグ」


かばん「かばんです」


ボス「ヨロシク、ピーガー、バッグ」バチバチ


ばっぐ「……もう、ばっぐで良いです」




*ガイド中


ボス「インドゾウはアジアゾウの亜──」ガタン


ひゅー


サーバル「わー! ボスが立っていた丸太がいきなり折れて、ボスが落ちたー!」


かばん「アンラッキーさん!?」


ボス「ヨンダ? バッグ?」ヒョイ


かばん「わ!? 大丈夫だったんですね?」


ボス「ヨクアルコトダヨ」


かばん「よ、よくあるんですね……」


ボス「トコロデ、キミノナマエをオシエテ」バチバチ


かばん「大丈夫じゃないですっ!? ぼくはかばんです」


ボス「ヨロシク、バッグ」


かばん「やっぱり、バッグなんですね……」




*バス発見時


ボス「運転席がナイヨ。検索中! 検索中!」ピピピ


かばん「わ、またアンラッキーさんがおかしくなっている」


サーバル「ボス、運転席っていうのがないとバスじゃないの?」


ボス「ボスとバスって似テイルヨネ?」バチバチ


かばん「どうでも良いですよ!?」


ボス「トコロデ、バッグ。君ノ名前を教エテ」バチバチ


かばん「バッグって言っているじゃないですか!?」


ボス「ヨロシク、バッグ」


かばん「もうそれは良いですってー」




*さばくちほー


ボス「運転ハ任セテ。砂嵐ダネ。砂を吸イ込ムト身体に悪イヨ」


かばん・サーバル『えぇー!?』


ボス「迂回スルネ」ギュルルルル


かばん「バスの下から凄い音がしていませんか?」」


ボス「スリップだね。バスを止めタラ、ちょっとタイヤを確認シテミルね。アッ……」ズルッ


サーバル「ボスがバスから落ちちゃったよ! しかも、バスが動き出したよ!」


ドカン!


かばん「アンラッキーさんがバスにひかれて、飛んでいちゃった!? ば、バスを止めて探さないと……!」


ボス「ヤア、バッグ。バスが動イテ何ヨリダヨ」バチバチッ


かばん「え? どこから戻って来たんですか!? でも、良かったです……平気だったんですね。あと、ぼくはかばんです」


ボス「ボクは丈夫ダカラネ。ドコモ壊レテイナイヨ」バチバチッドカン!


かばん「……とてもそうは思えない音がしていますけど」


ボス「大丈夫。マタ爆発スルダケダカラ」バチバチ


ドッカーン!


かばん「アンラッキーさーん!?」


ボス「平気ダヨ。一日に一回は爆発スルカラネ」


かばん「初めて聞きましたよ!? もうそれは平気とは言わないと思います」


ボス「心配はイラナイヨ、バッグ」


かばん「かばんです!」




*ある日・どこかの旅路で


サーバル「かばんちゃんってつっこみが上手なフレンズなんだね」


かばん「え、そうかな?」


ボス「ヨロシク、バッグ」


かばん「かばんです!」


サーバル「かばんちゃん、呼吸をするようにつっこむね! すっごーい!」


かばん「あれ? 癖みたいになっているのかな? 反射的にアンラッキーさんにつっこんじゃった」


ボス「ボクの名前はラッキービースト。ヨロシク、バッグ」


かばん「え、アンラッキーさんじゃないんですか!?」


ボス「ボクは運が悪インダヨ。ダカラ、アンを付ケテミタヨ。アンラッキーって呼ンデネ」


かばん「自称だったんですか!?」


ボス「バッグもカバンを自称シテイルネ」


かばん「確かに本当の名前は分かりませんけど……え!? アンラッキーさん、ぼくの名前を認識していたんですか!?」


ボス「マアネ」


かばん「それじゃあ、なんでバッグって呼ぶんですか?」


ボス「背負うカバンのコトをリュックサックって言ウンダヨ」


かばん「バック関係ないじゃないですか!?」


ボス「間違エタ。バックパックだッタヨ」バチバチ


かばん「アンラッキーさん。──ぼくはバックさんじゃないよ」


ボス「バッグを暫定パークガイドに設定。権限を付与」


かばん「なんで!? あと、かばんです」


ボス「コレカラもヨロシクネ、バッグ」バチバチ


サーバル「今日もジャパリまんがおいしいなぁ」


かばん(こんな感じでぼくたちの旅は続いていきます。アンラッキーさん、いつになったらかばんって呼んでくれるんだろう……)




                  おわり




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アンラッキーさんとの日常 名田らい @natarai

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