第5話 ネコの日のPM4:20
遊園地方面にバスを進めているとステージのほうに人だかり、いや、フレンズの群れが見えた
地鳴りのような歓声が遠く離れたところからでも聞こえてくる
どうやら遊園地でPPPのライブが開催されているようだった
「うわぁ・・・すごい人だかりだねぇ」
「カバンちゃん!折角だから見に行こうよ!」
「うん、じゃあちょっと行ってみようか・・・」
バスを降りてカバン、サーバルの二人はステージに向かった
見渡す限りのフレンズの山でとてもステージが見える状態ではなかった
「全然みえないよー!」
「じゃあまた木に登って見ようか」
以前登った木に再び登りステージを眺めると踊って歌うPPPと司会のマーゲイが見える
何気なく観客をみると皆何か各々棒のようなものを掲げて振っていたのにサーバルは気づいた
「ねえねえかばんちゃん!私達もああやってなんかリズムにのって振った方がいいんじゃないかな?」
「じゃあ丁度かばんにマタタビのが枝が・・・はい」
「わーい♪」
わっさわっさと小ぶりの枝を歌に乗って振るサーバル
「いえーい!・・・あっ!」
ノリすぎてはずみで手から枝が飛んでいき・・・
「あいたっ!」
ステージ袖で恍惚としながらPPPを見ていたマーゲイに命中した
「物を投げないでくださーい!もう、誰よこんなの投げて・・・なにこれ・・・うん?・・・うっ・・・ウヘヘヘ・・・うふふふ!あはははーっ!はーはははっ!!」
いきなり奇声をあげてフラフラとステージを千鳥足であるくマーゲイにPPPと観客は驚いてステージは固まった
「マーゲイちょっと大丈夫!?」
「うへへへ・・・プリンセスしゃ~ん・・・うにゃ~ゴロゴロ」
「うわあああ!マーゲイがおかしくなっちまったよ!!!」
「ど、ど、どうしよう・・・(白目」
「マーゲイさんしっかりして!」
「マーゲイへんなの~」
ドヨドヨ…ガヤガヤ…
突然のマネージャーの奇行にPPPは混乱
ステージはめちゃめちゃ、観客は皆動揺してざわめいている
「どうしよう・・・かばんちゃん?」
「あ、あとで謝りにいこうか・・・ちょっと怖いけど」
結局マーゲイが元の世界にしばらく戻ってこれなかったのでライブは中止になってしまった
楽屋で事情を話してPPPとマーゲイの前で反省の正座でサーバルちゃんとかばんちゃんは固まっていた
「はぁ・・・全く、わざとじゃないとはいえなんてものを・・・この私がとんだ失態を・・・全く覚えてないのが怖いわね」
「サーバル!これは危ないからもうバラまいたらダメよ!」
「そ、そんなぁ・・・うみゃー!」
(まあそうだよね・・・)
「私達は別になんともないな」
「ただの葉っぱだしな」
「ちょ、ふるるーなに食べてるの!?」
「ふるるー」モグモグ
「あ、そうだ、今回ご迷惑おかけしたお詫びを兼ねてカフェで今度お茶会をしませんか?またたびの危険性を他のフレンズさんに伝えたりしたいですし・・・」
「それはいいわね、これは禁止よ禁止!ポイしなさい!」
いきなりマタタビ禁止令をだされサーバルはしょんぼりした
~~数日後~~~
「ふわぁぁぁぁ!いらっしゃぁい!みんなきてるゆぉ!」
「こんにちはアルパカさん」
「いまお茶入れるからちょっと待っててにぇ?」
「ほらサーバルちゃんこっちにきて」
「はーい」
かばんに促されカフェの席についた
カフェにはこれまでマタタビを配ったフレンズが集まっていた
「・・・というわけで、これは危険な一面もあるのでこれで遊ぶのは禁止にしたほうがいいかという話が・・・」
かばんが一通り説明するとアルパカがお茶を運んできた
「お茶入ったゆぉ!どーぞ!はいどーぞ!」
「あ、じゃあお茶いただきましょうか・・・あ、今日のは紅茶?じゃないんですね、色も香りも違う・・・サーバルちゃん熱いから気をつけてね?」
ズズズッ
「今日は紅茶じゃないんだゆぉ~これね、博士に教えてもらった新しいお茶なの~」
「へぇ」
「ズズズッ・・・みゃん!」ガタッ
「サーバルちゃんどうしたの?」
「みゃんみゃんみゃんみゃん・・・みんみー!」ガターン!ドッタンバッタン
「うわあああああああ!!サーバルちゃん大丈夫!?」
サーバルがいきなり体をくねられせ床で転がり始めた
サーバルに合わせるように集まっていたフレンズも一様に床に転がりはじめた
「皆さんまで・・・まるでマタタビでもつかったみたいに・・・はっ!あ、アルパカさんこのお茶なんなんですか!?」
「ええぇ?!こ、これぇ?これは・・・「キャットニップ」って花のお茶だゆぉ~」
夕焼けの差し込む普段は静かなカフェはどったんばったん大騒ぎの大混乱となったのだった。
マタタビでどったんばったんおおさわぎ @zatou_7
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