第4話 大将ご乱心
へいげんちほーを走るカバン、サーバルを乗せたジャパリバス
水平線の先まで伸びる道路の先に見たことのあるフレンズを発見した
「カバンちゃん!あそこにオーロックス達がいるよ!」
「あ、ホントだ」
「おーい!」
「ん?お、サーバルじゃん」
「お二人はどこに行くんですか?」
「いま帰って・・・あ、そうだせっかくだから城まで乗せていってよ」
「いいよ!のってのってー」
「それじゃあラッキーさんお城までお願いします」
「マカセテ」
オーロックスとオリックスを乗せたバスは城に向かって発進した
「それで、サーバルとカバンはなにしてんだ?」
「これをネコ科のフレンズさんに配ってるんです」
「マタタビっていうんだよ」
袋にどっさり詰まった枝を興味なさげにオーロックスとオリックスは見た
「ふぅん・・・」
「ただの枝にしか見えないが折角だから大将に献上しよう」
「あ、それいいかも!ライオンにあげよう!いいよねカバンちゃん?」
「あ、うん、ライオンさんならきっと・・・」
サーバルとは随分違う感じがするライオンだがかばんには何故かライオンにもマタタビが効くだろうというのが直感で分かった
バスが城に到着するとマタタビの枝を携えてライオンのいる部屋へ向かった
「大将!ただいま戻りました」
「入れ」
ガラッ
「途中でサーバルとカバンに出会ったのですが、大将にこんなものを献上したいと・・・」
「分かった、ふたりともご苦労だったな、下がっていいぞ」
「「はい!」」
カバン、サーバルを残しオーロックスとオリックスはふすまの向こうに下がっていった
「久しぶり~元気してたぁ?」
相変わらずの豹変ぶりである、ライオンなのに
「ライオンも相変わらずだね!」
「なんか持ってきてくれたみたいだけど・・・なにこれ枝?」
「それはマタタビといってサーバルちゃんのようなネコ科のフレンズさんが喜ぶものなんですけどきっとライオンさんにもいいんじゃないかと・・・」
「ちょっと嗅いでみてよ!」
「嗅ぐってこの枝を?あ、なんか変な匂いが・・・」
枝を眼前に構え鼻を鳴らすライオン
「どう?うみゃ~ってする?」
「こ、これは・・・ふわぁぁぁぁぁ~なんだぁこれぇ~うにゃぁ~」
畳の上でコロコロ転がり手足をバタバタさせるライオン
「やったぁ!」
効果てきめんなのを見てサーバルは嬉しそうに腕をあげた
その時・・・
ドドドドドドドドドドドドド!!!!!
バンッ!
「ライオン!来たぞぉ!」
「おぉい!まてまてヘラジカ!」
「なんて馬鹿力だ!」
「へ、ヘラジカさん!」
地鳴りのような音をあげてしがみつくオーロックスとオリックスを引きずりながらヘラジカが現れた
「腕相撲しよう腕相撲!ライオン勝負・・・うわあああああああああ!!!!」
「大将!?」
「ひぃ!?」
とろけた笑顔で畳を転がっているライオンをみたヘラジカ、オーロックス、オリックスはあまりの衝撃的光景に三人で腰を抜かした
「んにゃ?あ~ヘラジカだぁ~・・・ヘラジカぁ~!」
ヘラジカに気づいたライオンはヘラジカにぴょんと飛びかかった・・・野性解放して
「ちょ、ライオン!うわっ!」
ドタバタ!ゴロゴロゴロ
ヘラジカを押し倒しそのまま組んず解れつ畳の上を二人で転がる
怪力を持つヘラジカも突然の事な上に野性解放したライオンのパワーに為す術もなかった
「ヘラジカぁ~・・・んーっ・・・パクッ」
「うわああああ!!!食べないでくれええええええ!!!ライオンしっかりしろぉ!どうした!!!!」
ヘラジカの首筋に甘噛するライオン、完全にライオンに組み伏せられたヘラジカが絶叫してるのを見ていたオーロックスとオリックスは
「「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」」
と、二人で呟きながらどこか恍惚とした表情でヘラジカにじゃれつくライオンを見守っていた
「サーバルちゃん、ライオンさん達ほっといてよかったの?」
「大丈夫!ヘラジカともーっと仲良しになれたしまたフレンズを幸せにできてよかったよ!」
「そうなのかなぁ・・・?」
いつの間にか城外に脱出していた二人は城をあとにした。
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