第11話 超能力魔法少女

 「心配して見に来たけど・・・ やっぱり、思った通りだわ」と超能力魔法少女の留美は言った。魔法少女がよく着ているフリルの付いた青色のスカートをはいている。髪はツインテールでまとめており、どことなくまだ幼い子供の顔つきがあった。しかし、困難なことにも立ち向かっていく強い意志が感じられた。それもその筈である。彼女はマカロニ荘で母親と二人暮らしをしている母子家庭だったため出来れば母親には経済的な負担をかけたくはないと思っており今はまだ中学生だけど卒業したら働くつもりでいた。学校の成績はこれも母親には心配をかけたくはないということから決して悪くはなくて担任の教師からは進学校へ進んではどうかと言われているほどであった。


 そんな留美に勉強を個人的に教えてくれるマカロニ荘の二人の住人がいた。一人はネクロマンサーのアブドゥルであり、もうひとりはマッドサイエンティストの東上とうじょうであった。塾に通うような経済的余裕はなかったがこの二人の持っている知識・学識は古今東西の学術書何百万冊に匹敵するという莫大なものであった。そんな二人から勉強を教えてもらっているので学習する範囲は中学生で習うべきところは既に終わり高校レベルいや大学レベルにまで達していた。


 学習する範囲が大学レベルまで達すると留美はネクロマンサーのアヴドゥルに尋ねた。

「もっと深い知識というか何か役に立つ勉強はないかしら?」


「おや?留美よ。もっと宇宙の深淵について知りたいとな。よかろう、魔術についてここは特別に伝授しようではないか。まあ、儂も日本に来てから弟子は取らない方針であったがおまえだけは別格じゃ」


こうして、留美は魔法少女となった。しかしどうしても魔術だけでは解決できない部分もあり次にマッドサイエンティストの東上にも尋ねた。


「なぜか時間をうまく操るには魔術だけでは出来ないわ。どうしたらいいかしら?」


「留美ちゃん!変態野郎の魔術師の言うことなんか聞かずに僕に尋ねてくれればいいものを」


「え!そうなの?ぜひとも教えて欲しいわ」


 かくして留美は超能力も身に着けて「超能力魔法少女」という今までになかった最強の魔法少女となった。  

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