第9話 ネクロマンサー
おんぼろアパートであるマカロニ荘には現代のところ住んでいる住人はあまりいなかった。ほとんどの住人は田沼耕作が死んで?から引っ越してしまっていたがその数少ない住人の一人にネクロマンサーのアブドゥルがいた。部屋の扉にはただ「アブドゥル」とだけ書かれている表札がかけてあり、以前すんでいた周りの住人達からは謎の外国人として有名だった。
たまに廊下とか階段ですれ違うこともあったが黒衣のマントを暑い夏の日でも着ていた。一見見ただけでは男か女かは分からずまた年齢も若いのか年寄なのか判断に迷うことがあった。昼間見かけたときはセミロングの髪型だったがその日の夜に見かけた時は肩まで届くロングの髪型だったりした。
そんなアブドゥルが今晩も自分の部屋で死霊魔術の研究に没頭していた。
「うむ~。やつが今頃になって生き返るとは。まだまだ改良する余地はありそうじゃな。どうも科学の力をあのマッドサイエンティストから要請して借りたのがいけなかったかもしれんのう。やはり、科学と魔術は相性が悪いかもしれん」
ちょうど手頃な人体実験を探していた時にクレームを言いにアブドゥルの部屋を訪ねてきたのが田沼耕作の不幸の始まりだったかも知れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます