まず読んで思ったことは、やけに食事のシーンが多いな、でした。
食べてなくても、食に関わるシーンがすごく多い。
私はこのタイトルからいわゆる性的な意味の夜の仕事?なんて安直に想像していたのですが、中身は暗殺。直接的な表現は避けていますが、私はそういう意味だと思っています。
主人公はどうやら、仕事は完璧に仕上げるタイプなようですが、その食生活は偏りがち。特になんとも思わないと仕事をするのに、食事がないと人間味を失いそうと危惧している。
彼のなかでは命と食事はどこか切り離せない人間の主格となっている。
一見よくある夜の仕事の一部始終、そのなかに見え隠れするのは、彼の中で消えきらない人間味なんだと思うし、それが面白い。
食事が精神安定っぽくなるのはよく聞くけど、こういう書き方は斬新でした。
あと、モグラっていうのも好きです、素顔が気になって。