再会

意識が漂う感覚。柔らかい。ベットに寝かされているのか。オオカミの館にはあったものだ。そこには彼女がいつも居た。"タイリクオオカミ"

意識のフォーカスがあってくる。

「そうだ、タイリクオオカミに再開したんだ。」

意識が覚醒した。

見開いた目の先にはタイリクオオカミが寝ていた。オオカミの館にいたあの顔、あの姿のタイリクオオカミがいる。

「お姉さま、、!」

思わず出た声にタイリクオオカミの耳が2回ほど動き、焦点の合わない目を一回開いてあくびをして伸びをする。そしてこちらを見据えた。

「ん、ご機嫌いかが?もう少しで死ぬところだったよ。」

初めて見たタイリクオオカミのオフの一面に見蕩れてしまった。タイリクオオカミは寝起きを見せることは無かった、いくら早起きしても先に起きている。寝ていないのではないかと疑いたくなるほどだったが、観察するに誰かの目覚める音、この場合殆どがニホンオオカミのものだが。それで目覚めてものの数十秒で朝の準備が終わっているのだ。つまりとてもレアだ。

「聞いているか?冗談を無視されるって結構辛いんだが。」

「ああ、聞いていませんでした。」

「まあ、いいよ。それにしても

-いい顔してるな。

 

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