第2話 成田空港第2ターミナル南口

『成田空港第2ターミナル南口』


成田空港行きのバスが止まるバス停には運転手の他にもう1人のスタッフがいる。

乗客はその人にスーツケースなどを預け、バスの下の部分に入れてもらう。それらには降りる場所と、間違えて持っていかれないように一人一人別の番号の書かれたシールが貼られる。


成田空港の第2ターミナル南口で降車したのは

僕と1人のおばさんだけだった。


おばさん、僕の順番に降りる。スーツケースを持って行こうとしたら、なぜかそのおばさんが僕のを持っていた。しかもなんか怒ってる。そして運転手に怒鳴る。


女「ほら!!だから言ったじゃないですか!!あの乗り場にいたおじさんが間違えたんじゃないですか!!(おこ)」



どうやら、別の後者場が印刷されたシールを貼られたらしい。さっき北口着いた時なんか揉めてると思ってたけどそういうことか。

いや、そんなことより、それ僕のスーツケースなんですけど……。



運転手「いえですから、降りる場所をちゃんと北か南で言ってもらわないと……」



え、いや、あの、僕の、なんですけど……それ。



女「私は100回以上乗ってますけど今までちゃんと第二の2番目に降りる場所で通じたんです!!なんでわからないんですか!!(おこ)」



ええぇ……。



運転手「そんなこと言われましても…ちゃんと伝えていただかないと…」



諦めて眺める。



女「北か南なんてわからないです!!今までずっと2番目に降りるところで通じてたんですから!!(おこ)」


運転手「え…100回も乗っていて…?」



おお、なかなかやるなこの運転手。

女性は一瞬たじろぐ。



女「…なんでそんな攻撃的な言い方するんですか!!間違えたのそっちじゃないですか!!(おこ)」



すると、バスからもう1人女性が降りてくる。

僕ら3人はその女性に顔を向けた。もう鬼。鬼の形相。



女2「いい加減にしてください!私たち急いでるんですよ!個人的な問題でそんなに怒らないでもらえますか???まだ乗ってる人いるんですから!!」



全員ぽかん。


僕と運転手さんはおばさんの方を見る。



女「……っもう!(おこ)」



そのおばさんはちゃんと自分の荷物を持ってそそくさとターミナルへ入って行った。







運転手「…あ、すみませんでした。こちらはお客様のですよね」


僕「あっ、はい。ありがとうございます…」

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