れぽーと2

〜テイク2〜


むむむ。昨日はちょっとだけ失敗しちゃったから、今日はちゃんとかばんちゃんを一人にしなきゃ。


かばん「今日はどのちほーに行く?」

サーバル「今日はね、私一人でトキのところに行くんだ!」

よし! 行き先もちゃんと行ってるから、きっと大丈夫!

かばん「いいね! ボクももう一度行きたかったんだ。一緒に行こうよ」

うみゃ? これじゃ昨日と同じだよ。

サーバル「ダメ! 今日はかばんちゃんはここにいて!」

かばん「え、どうして?」

うぐっ。ごめんねかばんちゃん……。そんな悲しそうな目しないで……!

これも全部、作戦のためだから!

かばんちゃんの秘密を解き明かすため!

サーバル「うみゃみゃっと行って用事を済ませてすぐに帰ってくるだけだから大丈夫!」

かばん「そうなの……? 何の用事かはわからないけど、付き合うよ」

サーバル「うう……」

どうしてこんなに胸が痛いのかな。病気でもないのに。なんで?

かばん「どうしたのサーバルちゃん? 具合悪いの?」

心配そうな目でかばんちゃんが見てる……。どうして? 胸が痛い!

私にはどうしてかわからない。

こういうことが、かばんちゃんにはきっとわかるんだろうな。

私のこの胸の痛みの理由。

いっそ聞いちゃいたいよ。どうして? って。

でも、作戦が——。

かばんちゃんのこと、もっと知りたいから。

ぜったいぜったいぜーったい知りたいんだから!

サーバル「ごめんね、かばんちゃん」

かばん「?」

サーバル「ちょっと行ってくるね! かばんちゃんは待ってて!」

かばん「あっ、サーバルちゃん——」

かばんちゃんの呼びかけも、振り払って。

サーバル「ぜったい帰ってくるから! やくそく!」

そして、私は走った。

かばんちゃんには追いつけないスピードで、

かばんちゃんの声が聞こえなくなるまで。

「————ごめんね、かばんちゃん」


あっ。

まただ。

なんでだろ?

あはは。

胸が痛いや。

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