いざ東京へ
ここは東京。いや、東京だった場所というべきか。今、僕たちは東京の一角にある家に僕たちはいる。
「あー、昔はビルが並んでる都会って聞いたんだがなぁ。今更ビル程度都会でもねえよな」
そう、数年前に日本に魔女が生まれた。逆に何故今まで生まれなかったのが不思議なのかというレベルだ。
「魔女の力により技術はより発達、少し前までは負け国とまで言われていたのに今や世界有数の発展国か」
それほど魔女の影響力は凄いのだ。
「それも不思議な話だよね。たった数年、魔女がいるだけでここまで成長するなんて」
僕の質問に仁は答える。
「そりゃそうだ。今まで『魔女がいないから~』という意味でモチベーションが上がらないやつらは多かっただろう、単純な発展以外にもそういうところで活躍してる」
「確かに、魔女がいないってだけでもハンデだからね」
「だから-」
「つまるところ-」
「たしかに-」
そんなたわいのない話をしてたらスマホのアラームがなった。午前8時になったらしい。
すると仁はバックから紙を取り出し、僕に見せた。
「さて、東京には観光しにかたわけじゃーない。この事務所に用があってきたんだ」
「魔法事務所・・・?なんだそれ?」
聞いてないぞ。
「魔法を扱う・・というよりはそれを研究することに特化した者たちが集まるものだ」
「なるほど、そこで僕のことについて聞くんだね」
「そうだ、9時ぐらいから開くらしいからな、のんびりと歩いて行けばちょうどいいぐらいだろ?途中に面白そうなものがあったら見に行こうぜ」
「そうなんだ、君にも人間の子供のような精神があるんだ」
すると仁はしかめっ面で答えた。
「お前ほんと酷いよな、まだ出会って少しだけど俺以外合わねえだろ」
「君の気まぐれに付き合っている僕も、僕と一緒にいる君も十分かわっているよ」
すると仁は軽く笑いながら答えた。
「そりゃそうか。早く行こうぜ!ワクワクが止まんねえよ!」
何かがずれていても彼はまだ子供なんだ。そう感じた瞬間だった。
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