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果ての見えない闇の中にぽつりと光がある。それは古びたブラウン管テレビの液晶が放つ光。その液晶画面に映し出されているのは、ひとりの少女の死に様だった。早送りに流れるその映像は酷なほどに淡々と流れていく。液晶右下に表示されている時刻を示す数字の流れも、少女の悲鳴も嗚咽も、はたまた男の耳障りな欲に濡れた吐息も、すべてが当然の如く、すらすらと本来の時の流れを無視して。
映像は少女が無残な死体となったところで終了した。ブラウン管テレビには少女だったものが静止画として映し出されている。
「コウシテ死ニマシタ」
どこからともなくそんな機械的な音声が響き、闇の中に谺してやがて消えた。
「ならそれと同じように加害者を殺そう」
「ソンナコト、デキルノデスカ」
「そのための我々だから」
「是非、オ願イシマス。ドウゾ、オ願イシマス。ドウカ、ドウカ……」
機械的な音声は尻窄みになっていき、やがてノイズが混じり始める。
「……私ヲ殺シタ、アイツヲ殺シテクダサイ。ウント、苦シメテ……ソレカラ……」
殺してください。
そう懇願したのを最後に、音声はぷつりと遮断されたように途絶えた。
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