1-3 始まる旅
第3話 始まる旅
周りを見ると、他にホーンラビットの姿は見えない。そもそもこの辺りは平野なため眺めが良く見渡すことが出来る。なんでだろうか?
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ただひたすら歩き続ける事4時間が経過していた。本当に何もありませんでした。あるのは果てまで続いていそうな草原に、森、山...。
その時、ただ黄緑色まっしぐらだった地平線に緑が見えた。
「はあ、やっと地平線に草原以外が見えた! 今すぐ行ってみたいけど足が持たないなこのままじゃ」
ああ、絶対これは明日筋肉痛だななんて思っていると、ふと気になったことが有った。自分のステータスを見るとき鑑定を使ったけど、これってできるんじゃ。
そう思い即実行、しようと思ったがそれがてらに休憩することにする。
「やっぱりあの能力を試してみる時が来ましたか! よし、早速使ってみよう」
そして期待をした。この能力が大変すばらしい能力であることを。まあ、どんなのが出るのだろうと、確定なのだろうか、と大変疑問に感じたがまずは実践してみる他ない。
「家生成!」
その瞬間、目の前が光って木造の西洋風の家が建った!....なんてことは一切なく
「あれ? おかしいな。どうしてだ?」
西洋風の豪邸っぽい家を想像して言ったのに。いや、別に確証は無いけどさ。俺の目の前には全体が滅茶苦茶で全壊している酷い外観の家が建っていた。いや、これ建っているんじゃなくて経っているの方が適してるんじゃ…
しかも、出てきたのは豪邸なんて大きさでもなくその想像した一部が切り取られて出現or崩壊している感じだ。
近づいてみると、その有様が良く見ることが出来る、密度も低いのか手でパキッと簡単に折れてしまうし、中に入ってみると空が見えた...というか屋根も落ちてきているからなのだが。
床は生成されていたものの踏むと穴が開くほどのスッカスカのボロボロでしかも内装は特に何もなし。
これは酷いな...もはや、家じゃない。がれきの塊だ。それも不良品の。
「何でこんなものが...想像したのが駄目だったのかな? そういえばlv.1とか書いてあったしいきなりこれはまずかったのかもしれない...かな」
取り敢えずリトライしてみるのだ。そうすればきっとうまくいけるんじゃないだろうか。
日本の江戸時代のような家を想像してみる。想像するのは長屋なんてものではなく...と、俺は何をやっているんだ。そもそも、少し休憩するだけなのにそんな大きな家なんて必要ない。
あの瓦礫の処理方法が分からないというのに。もしも、この世界の人間にその家が見つかったらどんな事になるか。想像するのが容易い。
ならば、と思い普通に簡易テントを想像することにした。
「家生成!」
その瞬間、目の前が発光し、俺の頭の中のテントとほぼ瓜二つのテントが目の前には生成されていた。
「おお、成功した。ちゃんとしてるみたいだし、中入ってみるか」
チャックを開けると子供の時家族と行ったキャンプを思い出すような光景がそこにはあった。上にぶら下がっているランプ。敷かれていたのはよく使っていたシートと同じ柄のもので手触りも全く一緒だった。
「これなら...大丈夫だな」
そして、頭に思い浮かんだ光景。それは、今まで思い出さないようにしていたこの世界にいないであろう家族。そして、こんなこと、想像もしていなかった。忘れていたつもりであった。でも、その気持ちはひししと強くなっていく。
もう会えないんだ...きっと会えないのだろうな。そう思うと、出さないようにしているのに。意識しているのに。目からは無意識に不思議と涙が出てくる。止めようとしても止まることのないそれは、自分の隠していたものだった。
自分って、こんなに泣き虫じゃないはずなのに。
どうしてかな...その疑問はいつの間にか夕焼けとなっている空の彼方に飛んで行った—
「良し! 情けないな、俺。そんなことよりも、早くやってみよう」
さっきまでの涙を、記憶を、また想像したら泣いてしまいそうになるから我慢することにした。いや、頭の片隅に置いて別の楽しいことを想像し始めただけだ。
本題にいよいよ入る。本題とは...
「鑑定」
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名前 平和 要
種族:人族ホモ・サピエンス
年齢:16
職業:平和導師
状態:疲労(弱)
lv.1
体力:14/14
魔力:2/12
筋力:14
防御:12
魔功:12
魔防:12
俊敏:9/12
器用:12
SP:鑑定lv.1[90/100],家生成lv.1[60/100],テイクオーバー、不老
スキル:異世界総言語、長剣術lv.2[47/400]
称号:平和導師の証、異世界人
経験値:768/1000 PP:1 閉じる
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って、あれ? いつの間に経験値入ったんだ? それにppも。まあ、それは後でにしておくとして…あ、魔力があと一回やったら尽きるんですけど...うーん、今からやりたかったの鑑定使うからな。しょうがない。いちようやってみた方が良いか。
「鑑定!」
俺はこの平和導師の証とやらが一体何なのか気になったので使った。だけど、実際に見れるかは別だけど。すると、期待通りの結果が起きた。
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平和導師の証
平和導師である証。
lv.up時:振り分けp+5p連鎖加
pp使用可 閉じる
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え、これだけ? もうちょっと情報欲しかったな。それにしても懸念していた魔力枯渇によるぺナルティは無いっぽいな。それだけが分かっただけでも良かったかな。
そんなことを思いながら見終わったので閉じるを選択した。すると、消える。もう一度自分のステータスを見て唸ったり疑問を感じた。ここまでで、魔力が1も回復していない。どうすれば回復するのだろうか? もし回復しないのであればそれは単なるクソゲーだ。回復薬的なのがあるのかな? なんて思っていた時、このステータスの表示っていじれないだろうかと思い、適当にいろんな所を押す動作をしてみる。でも、反応は示さない。でも、それはppを押したとき起きた。
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1ppでくじを引きますか?【yes/no】
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ん? どうなってるんだ? 確かに1ppは入ってたけどこれ、もう引けてしまうのか? ハニートラップな気がしてならないのだが。引けたとして一体どのようなものが出てくるのだろうか。もしかしたら、簡易的な能力が入っているのかもしれない、ただ、どこにもそんな情報はない。
確率的に言えば、よりppを貯めて達成感のある方が良い気がする。いやまて、たった1ppでURが来るのと1000000000ppでURが来るのでは天と地ほどの差がある。これは、絶対に引いてみる価値があるに違いない。
いや、でも...そんなこと考えているうちにやがて意識が朦朧としていき気づいた時には床に倒れて寝てしまったのだった。
やっぱり、眠気には勝てない…
そして、俺の異世界冒険がやって来るんだ。
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