第6話 書類すら受からないなんて!
私は新卒時代、エントリーシートだの履歴書だの書類選考では一度も落とされたことがない。だから、エージェントの方が10社に2社の割合という事を聞いても心のどこかで「書類くらい受かるだろう」というおごりがあった。
しかし。
『採用:見送り』
『採用:お見送り』
『書類を拝見いたしましところ、大変心苦しいですがお見送りさせて頂きます』
受からない。全然受からない。笑っちゃうくらい受からないのだ。
その理由の中で「求人自体を延期」「すでにもう採用が決まっている」とかならまだ心が救われる。
エージェントの場合は見送り理由が書かれているのだが
「他に良い候補者がいるため」
「募集条件と職歴が一致しないため」
「求める人物像とは違うため」
さんざんである。
ちなみに応募職種は経理職はもちろん、エージェントとの約束通り経験職種も応募していた。求人の「仕事内容」を見て経験したことあるものばかり応募したつもりだった。
なのに経験職種の時でも「職歴を一致しない」と言われた時には「どうすりゃいいんだよ」という気持ちになった。
不採用理由は様々であるが、一度だけはっきりこう書かれていたことがある。
「うちは育休制度がないため」
労基に電話してやろうかと思ったがぐっと抑える。
でもまぁ、それが現実だ。
逆に言えばちゃんと履歴書に書いてあった「子どもあり」を見てくれているのだ。
結婚したら退職、妊娠したら退職
そんな会社、今の時代でもいくらでもある。
立て続けに落とされまくって失望の日々を過ごしていると、やっと1社だけ書類通過の連絡が来た。
「やったー!」
それを皮切りに、ぽつぽつと受かるようになった。
やはり数打てば当たる戦法は有効のようだ。
初めての書類通過に心を躍らせて、私は面接対策に取りかかった。
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