第3話初めてのエージェント

初めての転職ということで、いろんな人に意見を聞いてとりあえず私も転職エージェントに登録することにした。

エージェントというのは登録するとすぐに連絡が来るもののようで、私も登録して1時間以内に電話が来た。


「このたびはご登録ありがとうございました。早速ですが面談の予定を組みたいのですが」

「め、面談?」


そう、普通の転職サイトとは違い、エージェントは担当がついて転職の支援をしてくれる心強いパートナーだ。

直接会って、もしくは電話で今の状況や転職に関する希望、要望を相談し、その条件に当てはまる求人を紹介してくれる。

平日は育児があるため、夫が家にいる土曜日で予約をし、夫に子どもを預けてエージェント会社に向かった。


面談前に履歴書、職務経歴書を用意しろと言われたのだがこれも大変だった。

子どもの後追いが激しくて、とてもじゃないけれど子どもが起きている間は書けやしない。トイレ、キッチン、どこにでもついてくる。パソコンで履歴書を作成していたら真似っこするようにキーボードをバンバンされてぐちゃぐちゃになる。

かといって無視して書き続けることも出来ない。泣きわめく子どもを無視できるほど鬼にはなれない。さらに離乳食の準備、おむつ替え、お風呂などやることは盛りだくさんだ。平日は夫もいないから誰かに頼ることは出来ない。

私は昼寝をしてくれる1~2時間を利用して猛スピードで書き上げた。

それをエージェントのサイトのマイページにアップし、とりあえず面談の準備を終えた。


某大手エージェントという事でオフィスはとても大きく、本当に緊張した。

大学卒業後、ずっと中小企業で働いていたのでこんなオフィスに足を踏み入れるのは勇気がいる。受付を済ませ、部屋に通される。

しばらくするといかにも大手企業の社員ですといったような女性が入ってきた。


「よろしくおねがいします」


挨拶を手短に済ませ、早速面談に入る。

面談内容は以下の通り。


①今までの職歴の整理及び強みの発掘

②希望する業界、職種、年収

③エージェント利用の流れ


話していくうちに、私は保育所の時同様、軽くショックを受けることになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る