第4話金太郎飴の素顔

 嘘つきと言う称号まで頂いた。それも大嘘つきの称号である。大いに結構な称号であると開き直った。

 これこそ虚構と妄想の世界に生きようとする者にはふさわしい称号である。世間は、そのように認めるなら小説も書きやすい。そう思いながら、Nを去った。

 ここ二、三年、組織の自分に対するの対応を客感的に眺めた時、この組織では、このように生きるしか道のない存在だと自覚した。

 胸も張り裂けんばかりの悲しさに言葉を失ってしまう。童話風に創作をした物語で揶揄し表現するしかない。

 父と私、そして家族の物語の一部を即挙詩人でもあったデンマーク童話作家アンデルセンの作品を模倣し自分の半生を記すことにした。

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