第29話新生活


未来は、友達の猛アタックを食らって野球部のマネージャーになった。



「柏木未来です。野球には疎いをですけどよろしくお願いします。」

  


拍手が鳴りやまなかった。



「新キャプテンの松下修吾です。」


そう、修吾は野球部の主将になっていた。



修吾は、もう一人のマネージャー白石美恵と付き合っていた。



未来は、惨めな気持ちになった。



特別、野球にも詳しいくも興味もなかった。



そんな時に現れたのが副キャプテンの光浦英機だった。



英機は、無骨で無口だった。


修吾とは正反対だと感じた。


英機は、いつも一番早く部活に来て一番遅くまで練習していた。


そんな英機に未来は、ときめいてしまった。


遅くまで練習に付き合い、部室にも早く行った。


わたしの気持ちに気づいて欲しい。



しかし、英機は全然気づいていなかった。


部室で二人の時に未来は、制服からジャージに着替えた。


視線は感じなかった。





そこへ白石美恵が部室に入って来た。


英機は、今まで読んでいた漫画を置いて元気に挨拶した。



そうか…。


英機は、美恵が好きなんだ。


だから、未来に見向きもしないんだ。



白石美恵さえいなければ…。



未来の中で黒い薔薇が壊れるのを見た。



未来は、美恵を屋上に呼び出して思いきって背中を押した。


下からは悲鳴が聞こえたがすぐに未来は屋上から消えた。


邪魔な者は壊せば良い。



それからは、紅一点である。


英機も修吾も手に入れたと思っていたが英機も修吾も未来を求めて来なかった。


誤算と人を殺めた苦しみだけが未来には残った。


未来は、マネージャーを辞めて夜の遊びに溶け込んだ。


走り屋の彼氏をもつ藤井美樹に近づいて友達になった。



夜、バイクで走って酒を飲む。



すごくシンプルだけど未来には刺激的だった。


タバコも覚えた。



男女共に仲良しだ。



暴走族とは違う。


そこで出会って好意を持ったのが杉浦剛と上条豊だった。



杉浦剛は、俺様系で上条豊はクール系だった。


美樹によればどっちも彼女がいないらしい。



最初は、杉浦剛に近づいて恋人になった。


しかし、独占欲が強くて別れた。



上条豊は、本当にクールだった。長身で昔バスケをしていたらしい。


豊と付き合い始めても剛は電話やメールをしてきた。


美樹に三角関係じゃんと軽く言われた。





セックスしてる途中でも電話がかかってくる。


豊に、正直に剛の事を話した。



「そうか…。刺激してもいけないけれど警察には被害届出しておこう。」


と冷静な豊。


元カレのストーカー行為。


当事者になって初めて恐くなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る