孝は、同窓会で再会した女と浮気をした。

優衣に、男がいる事は分かっていた。

昔からずっと…しかしそれをとがめずに自分も浮気に走った。

「ふーん、可愛い奥さんだね。」

と孝のスマホを見て女は言った。

「うん…。」

「疲れてるね？」

「うーん、何か最近ちょっとな…。」

家に帰ると未来と優衣が話していた。

「何かあったのか？」

「パパが、自殺した。」

優衣は、憔悴仕切った顔で言った。

「そうか…。」

仕事に追われて家族を失って自殺か…。

「緑さんは？」

「まだ連絡つかない。」

優衣が頭を抱えた。

孝は、誰にも言えない事があった。

癌なのだ。

健康診断で精密検査をすすめられた。

末期の癌だった。

医者にはどうする事も出来ないと言われた。

しかし、孝は誰にも言わなかった。

「未来、お父さんは立派な人だった。」

そう孝は言った。

孝は、その夜に死んだ。

眠るように…。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい