はじまり、そして

「は?」

「あ、元凶じゃないから!」

「だろうな」

「ん?」

「もし元凶ならネタバレする必要がないだろ」

「あっはっは、それもそっか」

「まぁ、とりあえず続けろ、元から人魚なお前はともかく、なんでオレも初級?ってのにならない」

「双神家だから」

双神実琴そうじんみこと。双神家次男。それがお前でしょ?

「それと何の関係が」

「双神家は代々、人魚と対立して、殺してきた家なんだよ。耐性でもあるのかは知らないけど、双神家の連中が初級になったって話は聞かない」

「……」

「まぁ、知らないのも無理ないって。お前んとこのb…母さんも伝えるのはもう少し後にするつもりだったみたいだし」

「なんでそんなことも知ってる」

「停戦…というか協定結んでたんだよ、不可侵条約みたいな?だからそれなりの情報は持ってる」

「…いつから」

「お前と出会う直前から」

「…そうか」

再び、沈黙。


どれくらい黙っていただろうか。

今回も先に口を開いたのは樹だった。

「さて!」

「なんだ」

「双神実琴!」

「はい」

「これより、君には『血刀』をだしてもらう!」

「……はい?」

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