第4話 微かな希望
「いてー、何すんだよ、全く。」
僕はグチを言った。
ガーニャ「ちょっといい?ああああはあっちに行ってて!」
「なんでだよ!」
ガーニャ「ああああがいるからパパがおかしいのかもって思って!」
ガーニャは僕に言う。
はいはい。
僕は店の脇の木の陰に身を隠した。
ガーニャ「ペラペラペラ」
ガーニャパパ「ペラペラペラ、ペラペラペラ。」
あれ?
何か話してるみたいだ?
なんで話すことができるの?
--数分後--
タッタッタッタ
ガーニャはああああのところに駆け寄って来た!
ガーニャ「はあはあ、ぜえぜえ。」
「息切らしすぎでしょ!笑」
ガーニャ「ダメね、ペラペラしか言わないわ!」
!!!!!
「え?今まで聞こえてたペラペラペラって、よく話してる感じのオノマトペ的なアレじゃないの?」
ガーニャ「うん、わたしがペラペラペラって言ったら、パパもペラペラペラって返してくれて、それで嬉しくなってペラペラ言い続けてたの!」
「はっ?」
僕は思った。これは、モブキャラ特有の特に意味のない会話表現なのか?
分からない。
なんで僕は木陰から2人のやり取りをこっそり見ていないといけなかったのか。
疑問がたくさん湧いてくる。
「普通に話せなかった?」
ガーニャ「・・・!それよ!!!」
ガーニャ「ちょっと待って!」
ガーニャは再びガーニャパパのところへ行った。
ガーニャ「ねえ、パパ、ああああのお母さん知らない?」
ガーニャパパ「しっ!ちょっと家に入ってくれ!」
ガーニャは家の中へ入って行った。
僕はガーニャとガーニャパパの様子を窓越しに覗いた。
パパ「いいか、これは誰にも言ってはダメだよ。ああああの母さんなんだが、どうやら魔物に拐われたらしいんだ。」
ガーニャ「え!!ちょっと!大丈夫なの?」
パパ「シー!!声が大きいよ!」
ああああは会話の内容ではなく、モブキャラだと思っていたキャラクター達が自由に独立した意思をもって動いて、話していることに驚いていた。
ガーニャが家から出てきた。
ガーニャ「とりあえず、村長さんに話を聞いてみましょ!それからね。」
「母さんは?」
ガーニャ「拐われたって!」
「どこに?」
ガーニャ「それは分からないわ。魔物に拐われたらしいところまでは分かったわ。だから村長さんが何か知っているかもしれないからいきましょう!」
「ちょっと待って、ガーニャパパにもっと詳しく聞けなかったの?」
ガーニャ「聞けなかったじゃなくて、聞かなかったの!分からないかなぁ?うーん。」
この子は何を言っているんだ?
僕は心の中でもどかしくなっていた。
一刻も早く助けに行かないといけないんじゃないか?
でも、こういう場合は今までのことを考えたら、魔物は僕がくるのを待っていて、目の前でさらった人を少しいたぶって僕に精神的なダメージを与えつつ、適度にこちらを煽ってきて、そんでもってなぜか戦って負けたら何事もなかったかのように解放をして終わるパターンな可能性が高い。
「分かった。村長のところに行ってみよう。」
僕は言った。
-----see you next phase-----
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