第14話 競技大会
月曜日のロングホームルームの時間に、金曜日に行われる競技大会の出場種目を決めるためのクラス会議が行われていた。
「それでは、これより出場したい種目を各自挙手にて決めていきたいと思います。定員オーバーの場合は、話し合いもしくはじゃんけんにて決めたいと思います。」
木坂は、壇上に上がりみんなの方を向いてそう説明をした。
由姫は、書記として黒板の前に立ち競技種目を板書していく。
担任の伊原は、その様子を椅子に座りながらやる気の無さそうに見ていた。
「そうだ、お前たち。一応説明しておくが、今大会はクラス対抗戦だ。各クラスの総合得点で順位を付けていき、上位三クラスまでが賞品を授与される。」
先生の言葉に俄にざわめき出すクラス。
「おお、まじか!」
「これは慎重に決めていかないとな。場合によっては、捨て試合も考える必要が・・・。」
「先生、賞品は何がもらえるんですか?」
生徒から様々な声が上がり始める。
「一位は、学食の好きなメニューを一週間分だな。二位が、図書カード千円分。三位が何かの粗品だったな。」
「一位になれば、食費がお小遣いに・・・。」
「俺弁当なんだけどな。誰か買い取ってくれる?」
「図書カードでもいいかな。コミックなら二冊は買えるし。」
既に賞品を取った前提で、話始めるクラスメートたち。
パンパン!
「ほらお前たち落ち着け。そんな簡単にはいかないぞ。何たって上級生たちがいるんだ。生半可なことじゃ、優勝なんて不可能だぞ。」
先生は手を叩くと、皆を落ち着かせるように話し掛けた。
皆が部活の先輩たちを思い出すと、「勝てるわけねー。」と頭を抱えだす始末。
さっきまでの威勢がなくなってしまう。
「みんな、諦めちゃダメだよ。しっかり作戦を立てて、一生懸命やれば不可能はないから。」
由姫が皆を励ますように言うと、皆のやる気が復活する。
「出来る、今の俺ならセリエAですら勝ち抜ける自信がある。」
「いや、例えボールがバディでもさすがに無理だよ。」
「この勝利を君に捧げるよ。」
「お前部活サボってるじゃねーか。勝利よりまずルールを覚えろ!」
「はーい、それじゃあ競技を決めるよ。早くしないと、何時まで経っても帰れなくなるよ。」
木坂の言葉で静かになるEクラス。
木坂は競技大会についての説明を開始する。
まず競技の種目は①サッカー(ただし、人数は六人とフットサルに近い。男子種目)、②バスケットボール(男女混合種目、半々になるようにすること。)、③バレーボール(女子種目)、④テニス(男女一名ずつとダブルスの計四名、試合は一セットのみ)、⑤バドミントン、⑥ソフトボール(試合は四回までで、あとはサドンデス。決勝のみ七回まである)。
説明を受けた生徒たちは、どの種目にするか周りと話し合った。
しばらく待ったのち、出場種目を決めることにする。
「それでは、各自一回挙手してください。」
その結果、由姫は希望通りテニスのシングルに出ることが決まった。
美緒はバスケットボール、真澄がバレーボール、木坂は余ったソフトボールに出場することになった。
「よーし、決まったようだな。それでは今日はここまでで終了とする。各自、自分の出場種目の人たちと少しは練習しておけよ。これも、内申に関わってくるんだからな。」
またしてもぶっちゃける担任。
それでも、優勝賞品と由姫の喜ぶ姿を想像した生徒たちは気合いをいれるように返事をしていた。
そして、競技大会当日の金曜日を迎えることになった。
校長先生の有り難くも長いお話を聞いたあと、競技大会の開催の宣言がされた。
「由姫、気合い入れて頑張ろうね。目指せ食券!」
「美緒、せめてそこは優勝と言ってよ。まったく、物欲全開なんだから。」
美緒の言葉に由姫が呆れていた。
「由姫さまの言うとおりですよ美緒。それでは、勝てる試合も負けてしまいます。」
「もー、二人とも固いわねー。こーゆーのはノリよノリ!」
美緒が不満を漏らしていた。
ふと由姫が男子たちの方を見ると、木坂はEクラス男子を集めるとその場で円陣を組み、みんなに号令で発破をかけているところだった。
「みんなー、この試合の目的は何だー!」
『優勝! 優勝! 優勝!』
「俺たちはEクラスを愛しているか? 汐崎さんを愛しているか?」
『ガンホー! ガンホー! ガンホー!』
いろいろと酷かった。
「なんなのよこれ・・・。」
由姫はその様子を呆然と見ていた。
「どうやら
真澄の物騒な発言をなんとかとどめる由姫。
「いや~、効果覿面だったなー。」
「美緒、あんたなんか知ってるんでしょ。説明しなさい!」
由姫が美緒に問い詰めると、観念したように話始めた。
「それがね、木坂くんに相談されてなんとか皆のやる気を出させたいって頼まれたから、由姫がこの競技大会にみんなと優勝して思い出を作りたいって言ってたと伝えたら気合い入っちゃってね。」
「何勝手なこと言ってるのよ!」
由姫は、美緒の体を揺すりながら抗議する。
「でも、由姫だって皆と優勝はしたいでしょ?」
「それはそうだけど・・・。」
追求の手が弱まってくる。
「これで汐崎さんのメイド姿が・・・。」
「ああ、汐崎さんに接客をしてもらいたい。できればお帰りなさいご主人様なんて言われたら・・・。」
妄想を膨らませていくEクラス男子たち。
美緒は、ヤバいと思い由姫から離れようとするが、由姫の手が肩を掴むとそれを阻止する。
「待ちなさい美緒、あんたまだ何か言ってないことがあるでしょ?」
由姫が笑顔で聞いてきた。
(目が笑ってない!)
美緒は、観念して洗いざらい白状する。
「それがさ、競技の練習にいまいち気合いが足りなかったから、優勝したら由姫のバイト先を教えるのと、そこで打ち上げでもしようって言ったら男子たちが暴走してきてね。気付いたらあんな感じに、ハハハ。」
美緒の乾いた笑いが響く。
「ハハハ、じゃないでしょ! あんた私の知らないところで何てことしてくれたの!」
「美緒、さすがにこれはやりすぎですよ。」
由姫と真澄に責められて、後退りをする美緒。
「ごめんなさい!」
美緒が由姫に土下座をして謝った。
由姫はその様子とクラスの男子を見て溜め息をつくと、「しょうがないわね。」と告げた。
美緒が顔を上げて「ありがとう。」と、赦してくれた由姫に感謝を述べた。
「うん、ただし優勝したら美緒の食券は没収ね!」
「そんな~!」
由姫の残酷な宣告に、悲鳴を上げた美緒であった。
そんな茶番も終わり、生徒たちはそれぞれ自分の出場競技の場所へと移動を開始する。
「それじゃあ真澄ちゃん、頑張ってね。時間が空いたら応援にいくから。」
「はい、由姫さまも頑張ってください。」
「由姫、私は? ちゃんと応援に来てよ。」
「わかった、わかった。美緒も頑張ってね。」
美緒は、由姫のお座なりな対応に不満を漏らしながらも、真澄と体育館に向かっていった。
「さ~てと、いっちょ頑張りますか!」
由姫が気合いをいれていると、男子生徒から声がかかる。
「おはよう、由姫ちゃん。今日はお互い頑張ろうね。」
声を掛けてきたのは一貴であった。
「おはよう。今日はお互い敵同士だけど精一杯やろう。」
由姫は一貴と言葉を交わすと、対戦表のところまで一緒に向かった。
「一回戦は同じ学年同士で組まれているみたいね。」
由姫が対戦表を確認しながら呟いた。
「汐崎さんもやっぱりテニスにしたようね。貴女とは、また試合で戦えるのを楽しみにしているわ。」
由姫に話しかけてきたのは、テニス部副部長の理恵子であった。
(副部長との試合は負けたままだったからな。今度こそ勝つ!)
「わたしも楽しみです。」
由姫の気合いが高まっていった。
そして、由姫の一回戦が始まる。相手は同じテニス部の一年女子。
同じ学年の女子相手に本気を出すのは不本意なのだが、これは真剣勝負。
一切の手心をすることなく全力で当たる。
「汐崎さん、がんばれー。」
「由姫さんファイトー。」
何故か、他所のクラスの人たちが応援してくる。
応援されて答えないわけにもいかないので、手を挙げて感謝の表現をする。
「今、汐崎さんが俺に答えてくれたぞ!」
「違う。俺に視線が合っていたんだから、俺にだよ!」
由姫の試合を応援していた男どもは、周りと言い争いが起こり始めていた。
(遣り難い・・・。)
由姫は溜め息をつく。
結局一回戦は由姫のストレート勝ちで終わる。
「さて、次の試合まで時間あるし、美緒たちのところに行ってみるかな。」
由姫は体育館に向かった。
バシン!
『きゃああああ!』
体育館に黄色い声援が響いていた。何だろうと見てみると、真澄がバレーの試合でアタックを決めて得点をしていた。
「あっ、由姫も来たんだ。真澄のやつかなり活躍しているよ。何かバレー部より上手いような・・・。」
「うわあ、すごいジャンプ力だね。あれは受け止められないよ。」
美緒の説明に、由姫は目を奪われながらもそう呟いていた。
「んで、由姫の方は試合どうだった? 私たちは無事勝ったよ!」
美緒はVサインをしてそう言ってきた。
「もちろん一回戦突破したよ!」
美緒とともに喜びを分かち合うと、真澄の試合も無事勝利で終わっていた。
「真澄ちゃん、かっこ良かったよ。」
「ありがとうございます由姫さま。」
真澄が、由姫たちのところに来たのでそう声を掛けた。
「それじゃあ、男子たちの応援でも行きますか。」
美緒の提案で校庭に向かう由姫。
最初に、サッカーのところへと向かった。
「それじゃあ、みんなで応援しよう。せーの『E組がんばれー!』」
由姫たちが応援をすると、瞬間空気が変わる。
「おらー、行かせるかよ!」
「俺がフリーだ。パスを寄越せ!」
「ここは俺に任せておけ。今の俺のボールには何人をも触ることはできない。」
E組の連携がバラバラになったが、何故か試合はE組の一方的な運びになっていた。
片や相手チーム。
「終わりだ・・・・・・。」
「もう諦めても良いよね・・・。」
「もういっそ楽にしてくれー!」
士気が駄々下がりして、ゴールキーパーはゴールポストに頭を打ち付けていた。
「・・・由姫、もう行こう。さすがに相手チームが憐れすぎる。」
焚き付けてしまった美緒も、さすがに居たたまれずにそう言ってきた。
「そ、そうだね。」
由姫は視線をそらすと、今度はソフトボールの試合へと向かった。
ソフトボールの試合では、ちょうどE組が守備に着いているところだった。
「あれ、ピッチャーは木坂くんなの?」
「そうそう。木坂くんはああ見えて運動も得意みたいよ。勉強も出来るし彼意外とスペックは高いのよ。」
由姫の質問に、美緒はそう答えると応援しようという流れになった。
『木坂くーん、がんばれー。』
由姫と美緒の声援が響く。
「ちょっと真澄! あんたも応援しなさいよ。」
真澄だけが顔をそらしていたところを、美緒に指摘されていた。
「さあどっからでも来い!」
「ピッチャー、俺の方に打たせて良いぞ!」
「おらバッター、こっち打ってこいや。」
端からは、明らかに由姫を意識しての守備の動きがみられていた。
木坂の投げたボールは鋭く内角をつき、バッターはショート方向にゴロを打つ。
「おっしゃー!」
ショートは、素早く前に出るとボールをグローブで取ると、右手で掴み体勢を少し崩しながらもファーストに送球する。
「スリーアウト、チェンジ。」
ショートは、由姫の方に向かって右手を高々と上げていた。
由姫はそれに答えるように拍手をすると、ショートはだらしなく顔を崩していた。
「くそっ、なんであいつのところに。」
「俺ならあと0.5秒は早く刺せたのに。」
チーム内で別の争いが起き始めようとする。
「ほら、チーム内で争っている暇はないぞ。汐崎さんに良いとこ見せるなら、攻撃の方が印象に残るぞ。」
木坂の言葉に、Eクラスの男子は盛り上がる。
「汐崎さん、見ていてください。このホームランを貴女に捧げます。」
「てめえはまず、バットにボールを当ててから言え。」
「俺まで打順回せよ!」
バッターボックスに立った生徒は、予告ホームランの仕草を取る。
ピッチャーから投げられたボールに、少し詰まりながらも内野の頭を越えて二塁打となった。
しかし、バッターは不満な様子でベースの上に立っていた。
「くそっ、芯から僅かにズレやがった。」
「安心しろ、俺がお前を返してやる。」
チャンスとばかりに、バッターボックスにたったクラスメイトを二塁から忌々しく見る男。
お前らは一体何と戦っているんだと、他のクラスからは言われそうな勢いであった。
その後は、由姫の応援もありEクラスの猛攻が始まる。
相手チーム(特にピッチャー)の戦意が失われていく中で、打順は一巡していき試合は決着する。
「もう泣くなよ。地獄はやっと終わったんだから。」
「こんなの辛すぎる。一体俺たちにどうしろというんだ。」
相手チームは、涙を流しながらこの地獄(由姫のE組応援攻撃)からようやく解放されたのだった。
「そろそろ次の試合が始まりそうだから、わたしもう行くね。」
由姫がそう言うと、私たちも戻るかと美緒と真澄も体育館に向かう。
テニスコートに戻った由姫は、そこで一貴と遭遇した。
「一貴くんは試合どうだった?」
「一回戦は無事勝てたよ。次は二年生との試合がもうすぐ始まるところ。」
そう言った一貴に「おめでとう。」と伝える由姫。
そんな由姫に、少しためらいがちに一貴が話し掛けてきた。
「由姫ちゃん、実は親から映画の鑑賞券貰ったんだけど、アクション系の映画なんだ。昔は好きだったからどうかなと思ったんだけど、暇なときに一緒に行かない?」
「えっ、良いの。そう言えばこんなことになってからは、アクション映画何て観に行かなくなっちゃたから嬉しいけど。良いの?」
「うん、公開は明日からだから時間が空いたら連絡してくれるかな。俺は何時でも大丈夫だから。」
一貴は嬉しそうに告げてくる。
「あっ、そろそろ次の試合だ。」
一貴がコートに向かうので、由姫も応援するために一緒に行くことにした。
試合は、上級生相手にもリードしていく一貴。
一貴のスマッシュが決まると、A組の女子の応援団から『きゃあ、一貴く~ん!』と黄色い声援が飛び、周囲の男たちが苦々しく見ていた。
「一貴くん、ファイトー。」
由姫も一貴の応援をしたことで、他の男たちを絶望の淵に叩き付けていた。
そんな由姫のことを、睨みつけるように見る一人の女子生徒の存在に気がつく。
(あれ、何で私睨まれてるの? 別に、自分のクラス以外応援しちゃダメなことないよね?)
由姫は、段々と居心地が悪くなってくる。
よく見ると、話しはしたことはなかったが同じテニス部の一年生だったなと思い出した由姫だったが、自分の試合が始まるので由姫はその場をあとにすることにした。
その後、試合を順調に勝ち進み遂に決勝戦まで来た由姫は、相手がテニス部副部長の理恵子となった。
「汐崎さん、貴女とこうしてまた試合ができて嬉しいわ。」
「副部長、体験入部の時の借りを返したいと思います。」
由姫が気合いを入れて、そう理恵子に告げると嬉しそうな顔をして告げてきた。
「さあ、貴女の成長を見せてちょうだい。」
試合は、由姫のサービスから始まる。
以前よりも格段にスピードの上がった由姫のサーブに、理恵子からの返球が甘くなっていた。
由姫はその隙を逃さずにスマッシュを決めると、先制点を奪取する。
「由姫ー、がんばれー。」
「由姫さま、ナイスです。」
試合の終わった美緒と真澄も、由姫の応援に駆けつけていた。
由姫が手を挙げて答えると、再びサーブへと向かう。
試合は、一進一退の攻防が続きお互いに四ゲームを取っていた。
「汐崎さん、強くなったわね。これなら一年でレギュラーを目指せるわよ。」
「ありがとうございます。でも、まだこれからです。」
そこへ、さっきまで試合をしていた一貴が応援に来ていた。
準決勝でテニス部部長の誠人とあたり、惜しくも敗退してしまったのだった。
「由姫ちゃん、落ち着いて。」
一貴の言葉を聞き、ハッとする由姫。
(そうだった。前回は熱くなりすぎて墓穴を掘ってしまったんだ。ここは落ち着いていかないと。)
由姫は、一貴の言葉に冷静さを取り戻すように深呼吸をする。
サーブを打つ由姫。決して焦らずに、相手の隙を注意深く窺うプレーをする。
理恵子は微笑みながら由姫に話しかけてくる。
「どうやら、彼氏の言葉で冷静になったようね。」
「違います。彼氏じゃなくて幼なじみです。」
(まったく、どうしてみんな人を見るとくっ付けたがるかな。)
試合は進み、遂にタイブレークにまでもつれ込んだ。
「ほう、理恵子が結構追い詰められているようだな。」
部長の誠人も試合の様子を見にきたようだった。
「汐崎さん、本当に強くなったわ。次期副部長に貴女を推薦したいくらいよ。だから、これからも精進してね!」
理恵子が遂に本気になる。
(そんな、まだ上があるっていうの?)
由姫は既に全力を出しており、今までなんとか食らい付いていたのだが、ここに来て一気に引き離されてしまう。
ポイントが2ー6の差が着いてしまい、最後も苦し紛れに返したボールをスマッシュで逆サイドに打たれゲームセットになった。
由姫は全身が汗だくになって疲労困憊だったが、コート中央までなんとか向かうと理恵子と握手を交わす。
互いに『ありがとうございました。』と言うと由姫は美緒たちのところに向かった。
「由姫、惜しかったね。あとちょっとだったのに。」
「由姫さま、お疲れ様でした。タオルをどうぞ。」
「ありがとう。まさか、あそこからまだ上があるなんて想定外だよ。でも、ようやくあの人の全力が見られたから目標ははっきりとわかったよ。」
美緒と真澄にそう言うと、満足した顔で由姫はそう言った。
「汐崎さん、すごかったよ。」
「うん、カッコよかった。」
クラスメイトの女子生徒がそう言ってくると、男子生徒たちも『お疲れ様。』、『最高でした。』等と声を掛けてきた。
そうして、競技大会は全競技を終えると結果発表をするために全校生徒が校庭に集まる。
結果は、1ーEは何と二位に輝いていた。
E組はテニスで由姫が二位になったり、他の競技も上位を占めていた。そして何よりソフトボールで優勝したことが影響していたようだ。
そんなすごい結果にも関わらず、E組男子は『くそー!』、『神は居ないのか?』等と地面に伏せてしまっていた。
惜しくも一位を逃したE組だったがみんな頑張ったので、由姫の許しを得てバイト先の喫茶店で今度打ち上げをしようと話したら、『ありがとう!』、『いやっほー!』とはしゃぎ始めた男子に由姫は引いてしまった。
こうして、1-E組の勇姿は終わった。
ちなみに、賞品の図書カードは美緒の分は由姫に没収されていた。
「何でよー!」
美緒の絶叫のもと、競技大会は閉幕した。
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