葛城事件

葛城家の崩壊を描いている。

二人兄弟なのだが、長男はリストラに遭い、自殺し、次男は無差別殺人を起こし、死刑判決を受ける。犯行時はアキバの事件の犯人のような服装だが、死刑判決後は、池田小学校の事件の犯人のように一切反省しない。

そうした子どもを持った母親は精神崩壊する。すべては抑圧的で、教条主義的な父親のせいである。

次男の事件後は、父親だけが、家に住んでいる。そんなときに、獄中の次男と結婚した女性が葛城家を訪れる。

女性は、獄中結婚の動機として人間に絶望したくないことを挙げるが、相手への愛などなく、獄中結婚は自己満足でしかないように思えた。実際に触れ合うことができるとしたら、果たして結婚しただろうか?


映画では、死刑廃止を暗に訴えているように思えた。凶悪犯が劣悪な家庭の産物であるとしたら、本当に責任があるのは、別の人であると、思えるからだ。この映画のケースでは、少なくとも情状酌量の余地があっただろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る