スローなブギにしてくれ

1981年の映画。恋愛のもつれを描いている。中年男と若い男との間をフラフラする浅野温子と、中年男の山崎努の側の状況を描いている。多少とも共感できたのは、山崎努の苦悩だった。妻から離婚され、愛人にも去られる。彼は性欲に振り回されているように見えた。これは「水のないプール」の主人公と似ている。


レイプや飲酒運転のような犯罪だったり、古尾谷雅人のバイクへのこだわりなどに、昭和の時代を強く感じた。主題歌はけだるい感じのブルースで、この映画に合っており、ストーリーは凡庸でも、この曲のおかげでまとまっているように思えた。


気になったのは、映像の手法である。まず、最初の方で、スローモーションになるシーンがあるが、これはまったく余計に思えた。また、最後の方で、浅野温子がもぬけの殻となった家の冷蔵庫を開けるシーンが繰り返されるが、これも意味不明だった。

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