T2 トレインスポッティング

トレスポの面子が20年ぶりに集まったというだけで、トレスポファンなら必見。ただ、当時レントンがクラブで出会った女の子はいない。代わりに若いブルガリア娘のヴェロニカが登場する。


20年を経て、中年になった元不良の若者たちは相変わらず、というかより悪くなっている。

失業の果の自殺未遂、ゆすり、ムショ暮らしといった状況が描かれている。アムステルダムに移住して、結婚しているレントンも健康問題を抱え、離婚を考えている。


映画では、健康問題や失業など、老化にまつわる不幸を扱っている。各面子は、20年前には開けていた未来を食いつぶして、中年の現実の中でもがいている。僕も彼らと同じ時間を生きているが、とりわけ過去へのノスタルジアに共感できた。スパッドによる小説執筆は、まさに過去を清算する行為だろう。

レントンのレストランでの長台詞は、X世代的で「ファイトクラブ」でのブラット・ピットの長台詞を思い起こさせるものがあった。原作を書いたアーヴィン・ウェルシュはX世代の作家だと再認識した。


映像的には、やはりドラッグをキメているときの映像が今回も良かった。また各面子の個性が際立ち、見ているだけで嬉しくなった。ただラストの重要な場面は、「フィルス」と似ている。

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