メッセージ

円環状の時間をテーマにしたSF映画。冒頭では、娘を亡くしたルイーズの場面から始まる。これはミスリードを誘う構成になっている。


大枠として、世界各地でUFOおよび宇宙人と遭遇した人類の反応を描きながら、一方でルイーズの娘との体験が挿入される。


言語学者のルイーズは、宇宙人とのコミュニケーションのために軍に駆り出され、パートナーの物理学者とともにその大役を首尾よくやってのけるが、宇宙人の言葉(後に誤訳だとわかる)が人類を不安に駆り立て、人類による爆破や攻撃などの行動を招く。世界各国のUFO対応を巡る協調・分裂の様子は、「シンゴジラ」に似ていた。北海道にも出没したそうだが、映画の中では、北海道の様子はほとんど、またはまったく取り上げられていない。


足が7本の宇宙人の形状は、独創的ではないが、アート作品のような言語は非常に独創的に思えた。言語の時制がないことが特徴となっており、そこがルイーズの能力と通じ合う部分になっている。


結局、宇宙人との戦争には至らず、最終的に人類にある種のギフトを残してUFOは去っていく。その一方で、未来がわかるというルイーズの能力が明らかにされるが(この能力のおかげで、中国が協調路線に戻る)、これについては、個人的には辛いことのように思った。

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