妻は告白する

1961年の若尾文子主演のミステリー映画。

映画は裁判の場面から始まる。

若尾文子の夫と恋人との間で揺れる心理が丁寧に描かれており、完成度は高いと思う。

ただ、殺人罪適用を巡る攻防については、大いに疑問を感じた。そもそも素人を難易度の高い登山に連れて行った時点で、何らかの事故が起こる可能性は高い。したがって、企画した夫にこそ非があったと言えるのではないだろうか。


若尾文子は、2人の男を破滅させており、いわゆるファム・ファタールと言えるかもしれないが、悪女ではない。

恋人の婚約者の女は、「純粋に人を愛している」などと畏怖の念を込めて彼女を称える。しかしながら、依存性の愛であり、愛というよりも執着に思えた。当時は、そういう女性像こそが女の本質と考えられていたのかもしれないが、現代では単なるメンヘラにしか見えない。

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