第65話 60

 

  『発生学』と呼ばれる学問がある。


 ――『人類はどこから来たのか』。

 ――『人類はどうやって生まれたのか』。

 ――『人類の起源は何なのか』。

 こうした命題を取り扱う学問だ。


 ほとんどの国において、公の場で発生学に関する議論を行うことは禁忌とされている。

 なぜなら話者の弁舌次第では容易に大衆を煽動することができ、かつ科学的な反論が難しいから。

 今もなお、人類の起源は科学的に証明されていない。


 ことほど左様に発生学は禁忌だが、人類史については喧々諤々の議論が交わされている。

 中でも『五大国の民がどの順番で生まれたのか』については幾つかの学説が存在する。


 唐と葦原の民は顔の造形や頭蓋骨の形が似ているため、元は同一の祖先を持っていたと推察されている。エーデルホルンとザムジャハルも同様に、同一の祖先を持つ人種であるとされる。

 ブアンプラーナ人は『唐・葦原系』と『エーデルホルン・ザムジャハル系』両方の形質を持つため、最後に生まれた人類であると言われている。


 大陸には唐と葦原の『祖』、エーデルホルンとザムジャハルの『祖』が暮らしており、そこからブアンプラーナの民が生まれたというのが最も多い説。

 唐と葦原の『祖』だけは海の向こうから来た、あるいはエーデルホルンとザムジャハルの『祖』が海の向こうから来たという説もある。

 エーデルホルンとザムジャハルの『祖』が始まりで、そこからブアンプラーナが生まれ、最後に葦原と唐の『祖』が生まれた、という話もある。

 五国の『祖』はバラバラで、近縁関係にはないという説も根強い。


 いずれにせよ、人類史は『祖』の存在を前提としている。


 そして誰もが『祖』は現在と同じ人間の姿をしていたのだと信じて疑わない。


 水から生まれたのか、泥から生まれたのかは知らないが。

 俺たちの『祖』は生まれながらにして人であり、あらゆる生物の上に立っている、と。

 誰もがそう思っている。


 ――俺も、そう思っていた。




「私たちは『鳥猿とりざる』と呼ばれる生物の末裔だそうです」


 サギは落雁を上品に齧り、静かに告げた。


「猿と鳥の中間種――それが鳥になりきれなかった猿なのか、その逆なのかは分かりませんが――ともかく、猿の特徴と鳥の特徴を持つ生物がいたそうです」


「……」


「そこから私たち『アルケオ』が生まれました」


 ルーヴェが呑気さすら感じるほどのゆっくりとした息を吐く。

 釜から立ち昇る湯気が、ふっと横に流れた。


「そしてアルケオの中から、極めて猿に近い性質の種が生まれた。それは翼を持たず、鱗を持たず、爪を持たず、ただ猿のような毛だけを持っていた」


 彼女達の言う『鳥』とは、おそらく恐竜に近い生物だろう。

 俺たちの想像する鳩や燕ではなく『鱗を持つ鳥』――恐竜に近い生物だ。


「代を重ねるごとに「ソレ」の獣毛は薄れ、いよいよ彼らは『何も持たない者』になった。科学者は『脱猿ぬぎざる』と呼ぶそうです」


「それが……人類」


 サギが神妙に頷く。

 俺が言葉を探す間に、シアが茶を含んだ。


「サギ。記録や論文があるわけではないんでしょう?」


「はい。基本的には口伝ですし、そもそも推察に過ぎない部分もかなりあるそうですので……」


 ただ、と黒いアルケオは付け足す。


「少なくとも数万年前には私たちの先祖が暮らしていた痕跡が残っているそうです」


「……」


 現在人類側で最古の歴史を誇るのが唐だ。

 その唐ですら、記録されているだけで数千年の歴史しか持たない。


 つまり、『鳥と猿の中間の生物がいた』『アルケオは鳥猿から生まれた』『人類はアルケオから生まれた』といった話は信憑性に乏しいとしても、『アルケオが人類より先に存在していた』という説についてはアルケオ側の科学者が確実視しているということ。

 アルケオが人類より先に生まれていたということは――


「先ほどの話から察するに、おそらくエーデルホルンとザムジャハルの『祖』が霧の内側の人間でしょう」


 シアが瞳を細める。


「彼らが何らかの事故で霧の外へ出た。そこへ海を渡って来たか、元々そこに暮らしていた葦原と唐の『祖』が合流して――ブアンプラーナの民が生まれた、といったところでしょうか」


「……だろうな」


 それで一応の筋は通る。

 サギが嘘をついているなら話は別だが、彼女がそんなことをする理由はない。


 もちろん、アルケオ側の勘違いである可能性もある。

 所詮は口伝だ。それに道具ではなく爪を使って暮らす彼女達の『科学』がどの程度信頼の置けるものなのか定かではない。

 人類の方がアルケオより『先』である可能性もゼロではない。


 例えば『祖』はあくまでも霧の外側で暮らしていた人類で、霧の内側へ入った探検家がそのままアルケオの奴隷になった、という可能性もあるだろう。

 だが首尾よく霧の内側へ入ったところで、大量の恐竜をかいくぐってアルケオに接触することができるとは思えない。

 それに人類の方が先なら、アルケオ側は実質言葉の通じない怪物だということになる。

 彼女達に言葉を教え、気づいたら奴隷にされていた、なんてことがあるだろうか。


 霧の外側の人類が『先』だとすると、様々な点で疑問が残る。

 一方、人類が霧の中で生まれ、発生後間もなくアルケオの奴隷になったのであれば話がすっきりする。

 霧の内外で言葉が通じることも納得できる。


(……)


 つまり俺たちは鳥と猿の中間生物から生まれたアルケオの、事実上の変異種ということになる。

 それも、上位の変異種ではない。

 いわば『劣等種』。


 アルケオの爪。

 アルケオの鱗。

 アルケオの翼。

 地上の覇者たる恐竜の強さを一切引き継げなかった『裸の猿』。

 ――――それが『人類』。


 俺は一度筆を置いた。

 瞼の上から目を揉み、ふう、と長い息を吐く。


 茶を啜り、落雁を噛む。

 もう一度、茶を啜る。


「……ルーヴェ」


「なに?」


「落雁、美味いか?」


「うん!」


「そっか。もっと買い溜めておくかな」


 俺は墨を滴らせる筆を取り、今の話を一気に書き連ねた。

 ほとんど呼吸もしないまま、数分かけて人類――否、『脱猿』についての情報を記す。

 その間、女たちは何も言わなかった。


 筆を止め、肩を揉み始めたところでシアが呟く。


「……あまり驚かないんですね、ワカツ」


「……」


 驚いてはいる。

 ただ、それ以上に思うのが――


「どう……説明するんだ、これ……」


「あくまでも『アルケオで語られている歴史』として報告すべきでしょうね」


「……」


 俺はこの件を一位だけに報告するつもりだった。

 本来なら二位も交えたいのだが、そうなると三位が首を突っ込む可能性が高くなるからだ。


 カヤミ一位はどことなくぼんやりした女性だが、全面的に信頼できる人物だ。

 この過激な情報も決して一蹴などせず、さりとて鵜呑みもしないだろう。

 上への報告はうまく言葉を選んでくれるに違いないが、それでも説明には苦労するだろう。


 何せ事実なら人類史の根本が覆る話だ。

 しかも自分たちの先祖が別の生物の奴隷であったという話を呑み込まなければならない。

 民に周知することは到底できないだろうし、ともすれば各省の長ですら理解を拒むはずだ。


 嘘偽りだと怒り狂う者もいるだろう。

 敵にやり込められたと嘲笑う者もいるだろう。

 そうなった時、一位の立場が危うくなるのではないか。


 ――胃がきりきりするようだった。


「葦原の建国には『帝』様の話が絡みますよね。その辺りが頭痛の種ですか?」


「いや……今の話だとアルケオの奴隷だったのはエーデルホルンとザムジャハルの『祖』だ。問題にはならない。……たぶん」


 シアの言う通り、葦原の建国には元首である帝様の話が大きく絡む。

 帝様はかつて不毛の大地だった葦原に嵐を呼び、雷を落とし、雨を招いて国を創った人物の末裔であると伝えられている。

 俗に言う『建国の礎』ではなく、人間が暮らせる土地そのものを創った『創国主そうこくしゅ』。

 葦原における権力は絶大で、僅かでも不敬があれば死罪が待っている。


 もしアルケオの奴隷が葦原や唐の『祖』だった場合――――俺は一位にその事実を報告できない。

 なぜなら口にした瞬間、不敬罪で手討ちにされるからだ。


 幸いにして、葦原や唐の『祖』がアルケオの奴隷だった可能性は低い。

 サギが知る限り、葦原人や唐人と同じ特徴の顔を持つ人間は霧の中にいない。

 つまりどこかで完全に血筋が途絶えたか、そもそも霧の中にはいない人種なのだ。


 であれば、帝様を含む葦原や唐の『祖』はシアの言う通り海の向こうから来たか、この土地に元々住んでいた人間だろう。

 ――これなら一位に報告できる。


 できると思いたいが、確証は持てない。


 俺は高鳴る胸に手を当て、気持ちを落ち着かせる。


「話を戻しますが、ワカツさん達の話し言葉については仰る通り私たち由来のものだと思います。ですが、文字はおそらく後発かと」


 サギは俺の巻物を見つめていた。


「その文字はシアさんの国でも、ワカツさんの国でも同じですか?」


「いや、違う。書き言葉は各国でバラバラだ」


 ついでに言うと、各国独自の話し言葉もある。

 ただ、それぞれがあまりにも独自の体系を持つため、田舎でもない限り共通語で話すのが一般的だ。


 軍事用語や政治用語は各国語を使う場合が多い。

 シアが騎士に飛ばした号令も共通語ではなく自国の言葉だった。


「アルケオの言葉が共通語として霧の外に伝わり、それ以降は独自の進化を遂げたのでしょうね」


 命からがら霧の外へ飛び出した人類は、アルケオの奴隷だった者たちだ。

 彼らが持ち出した言葉がそのまま霧の外での共用語となり、やがて地域ごとに「文字」を獲得したのだろう。


 ふと、疑問に思う。


「『祖』達が恐竜のことを後世に残さなかったのは何でだ……?」


「伝わってはいたと思います」


「え?」


 シアが髪をかき上げた。


「アルケオと恐竜の脅威があるのですから残すのが当然です。初期の軍隊は霧の中からの侵略を想定したものだったのではないでしょうか。ですが……」


「追っ手が来ず、霧が晴れないまま何百年もの時間が過ぎた。だから……残さなくなったのか」


「後世の人間にはおとぎ話の類だと思われたのでしょうね」


 おそらく恐竜やアルケオの存在は民話や寓話の形に歪められて残ったのだろう。

 人語を解する獣、火を噴く巨大トカゲ、禍々しい姿を持つ魔性の女。

 親たちが子に語る「おぞましい存在」の根源こそが恐竜であり、アルケオなのだ。


 少なからぬ人間が本能的に爬虫類を恐れるのも、被捕食者だった頃の恐怖が血肉に刻まれているからなのかも知れない。


「もっとも、仮に記録が残っていたとしても公になることはないでしょうね」


「そうだな。信憑性に乏しいし……何より、自分たちが猿の末裔だなんてことを明かす意味がない」


 奴隷に過ぎなかった俺たちの『祖』は主の使う言葉と共にアルケオの元を逃れた。

 そして社会と文化を作り、文明を築き上げた。

 今、霧が晴れ、かつての主と対峙している。

 未確定ではあるが、これがおおよその『人類史』なのだろう。



 確定していることはただ一つ。



 ――人類は天敵に対する備えを怠った。



「ワカ。ワカ」


 ルーヴェがじれったそうに俺の弓を叩く。


「まったよ。わたし、待った」


「あ。ああ、そうだな。……サギ。前話したかも知れないが、この子は父親を捜してる」


「はい」


 俺は現在五大陸に存在する瞳の色――葦原の青、唐の赤、ブアンプラーナの紫、エーデルホルンの黒、ザムジャハルの白について話した。


「緑色はアルケオだ。そしてこの子は茶色」


「今、私たちが飼っている奴隷と同じ色です」


「……」


 特徴として、と俺は続ける。


「この子は五感が統合されてる」


「五感が統合……?」


「視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚が一緒になってる」


「……」


 シアがどこか冷たい目で俺を見つめていた。

 とは言え、彼女が批難の声を上げることはなかった。

 自分も似たような秘密を抱えていたわけだし――もしかすると、ルーヴェの体質を察していたのかも知れない。


「体質については正直、分かりません。アルケオは逃げ出した奴隷をすぐには追いませんし、言葉を話す人間を捕まえたらまず軍が回収しますから。もし知っているとしたら科学者だけでしょう」


「霧に適応するために手に入れた体質だと思うんだが、どう思う?」


「可能性はあると思います」


 サギはルーヴェに顔を近づけた。


「……おとうさん、サギのどれい?」


「私は……。……いえ、そうですね。似たようなものです」


 ルーヴェは怒ってはいなかった。

 ただ、じっとサギを見つめている。

 ともすれば恐竜のように。


「霧の内部へ立ち入る恐竜はいません。もしかすると逃げ出した奴隷の一部は霧の中を安全地帯だと考え、そこに棲んだのかも知れませんね」


「恐竜がうようよしている外より、五感が狂うだけで外敵のいない土地の方がマシだからな。だが――」


 だが、最悪の暮らしだっただろう。

 体験したから分かる。

 目で見るものが耳に響き、肌に触れ、匂いと共に近くされ、味まで伴うのだ。

 あんな状況に長く置かれたら普通の人間は気が触れてしまうだろう。


「霧の中で暮らしつつ、適度に外へ出て『息継ぎ』をしたのかも知れませんね。そして――」


「霧に適応する肉体を持つようになった」


 シアが呟く。


「おそらく初期の子どもは霧の中で生まれただけの、ごく普通の子だったのでしょう。狂わされた五感こそが正常だと思い違えているだけの、ただの人間。でも徐々に五感が完全に統合された人間も生まれ始めた」


「それがルーヴェちゃん、でしょうね」


「霧に『慣れた』人間じゃなくて、霧に『適応した』人間ってことだな」


「……」


 ルーヴェは無言だった。

 俺はそこに困惑のようなものを感じ取った。


「お前は大事にされてきたってことだよ、ルーヴェ」


「わたし、だいじ?」


「ああ。いつの日か恐竜人類から逃れて、外の広い世界で人間らしく暮らしたいって気持ちの結晶がお前だ」


 そして実際に、ルーヴェは霧を抜けた。

 奴隷たちの悲願は果たされた。


 だが――――


(……)


 だが、父親は彼女一人での脱走を想定していなかったに違いない。

 わざわざルーヴェに『霧の外は危険だ』と教えているのだから。


「ルーヴェ。お前のお父さんはお前と同じ体質だったのか?」


「わからない」


「何人ぐらいで暮らしてた?」


「おとうさんとわたしだけ。でも、おとうさん、そとにでたあとは、いつも色々もってかえってた」


 ルーヴェが初めて、記憶を探るような仕草を見せた。

 眉根を寄せた少女の口から言葉がこぼれる。


「だれかとおはなししてたの、かな……」


「少人数の集落が点在していた可能性はあります」


 サギが顎に指を添える。


「固まって暮らしていたら恐竜に発見される危険性が上がりますし、襲撃者が同時に複数の獲物を発見していた場合、襲われやすくなります」


「そうだな。砂漠の隊商みたいな暮らしだったのかもしれない」


 逃げ出した奴隷たちは霧の近くを拠点に少人数で暮らし、時折物資や情報を交換していたのだろう。

 これなら恐竜やアルケオに襲われたとしても全滅は免れ、拠点が完全に破壊される危険性も低くなる。

 ともすれば、遺った物資を回収して使い回すことすらできるかも知れない。


「……。もしかすると、五感が『完全に』統合されていたのはルーヴェだけだったのかも知れません」


 黙考の末、シアはそんなことを呟いた。


「もし五感統合が他の人々の中にもある特性なら、その人物の導きでとっくに奴隷たち全員が脱出できているはずです」


 私たちが知らないだけで、実は茶色の目の人間は社会の闇に紛れているのかも知れませんが、と。

 留保の言葉を挟み、シアが続ける。


「他の人々は部分的にしか感覚が統合されていない状態で、単独で霧を突破することは難しかったのかも」


「……確かに」


 俺とシアは視線をぶつけ合った。


「ルーヴェだけが特異体質で、だからこそあの竹林に隠されていたのかも知れません。あえて霧の外に住ませたのが父親個人の思惑によるものか、何らかの合理的な理由あってのことかは分かりませんが……十分に育ち切ったところで自分たちを外へ導かせるつもりだったのは確実だと思います」


「……? わたし、外に出たら、だめだった……?」


 俺は困惑するルーヴェの頭を撫でる。


「そんなことはない」


 おそらく今、彼女の頭の中では竹林で右往左往する父親の姿が映っているに違いない。

 確かに父親と別れたのがここ数日のことであれば、彼女はあの場に留まるべきだっただろう。


 だが既に彼女の父親はずいぶん前に姿を消している。

 本人の言葉を借りるなら、「ずうっと前」に。


 ルーヴェが自分達を先導できる年になった、と仲間に伝えに行ったまま恐竜に襲われ息絶えたのかもしれない。

 彼女は戻って来るはずのない父親を竹林で一人待ち続けていたのだろう。


 その話をしようと唇を開いたところで、サギがふと顔を上げた。


「ルーヴェちゃん。その人は恐竜の避け方を知っていたのですよね?」


「うん。わたしよりじょうずだった」


「……野で死んでいるのなら見つけることは難しいと思いますが、もしかするとアルケオが捕えているのかも知れません」


「!」


「心当たりがあるのか?」


「心当たりと言うほどではありませんが……ルーヴェちゃんがこの年になるまで我々と接触しなかったということは、おそらく彼女の住んでいるあたりは軍の狩猟範囲から外れていたのではないかと」


 言われてみればその通りだ。

 ルーヴェは十年以上霧の中で暮らしているのに、アルケオについて全く知らなかった。


「我々は獲物を狩り過ぎないように、不定期に狩猟の範囲を変えるんです。ここしばらくの間に、何度か餌場の変更があったと聞いています。もしかするとその時にルーヴェちゃんのお父さんを……」


「じゃあ、あの辺で出くわしたアキかヨルが……」


「ええ。何か知っているかも知れません」


「!! あるけお、おとうさん捕まえてる? それはどこ?! どこならあえるの!」


 ルーヴェは今にもサギに飛びかからんばかりだった。

 俺は慌ててそれを制止する。


「待て、ルーヴェ。そろそろ話を引き継ぐ」


「……」


「場所を聞いたからって飛び出すなよ」


「……うん」


 俺は再び茶を点て、皆に回した。

 少しずつ、障子越しの陽ざしが熱を帯び始めていた。


「アルケオの社会について確認したい」

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