『尾頭ヒロミ』というキャラクター(ネタバレ)

『シン・ゴジラ』の中で屈指の人気と思われるキャラクター。

 肩書きは『環境省自然環境局野生生物課長補佐』

 

 特徴としては『早口で無表情。冷静かつ的確』という有能ポジション。

 序盤で視聴者の代弁者のような位置づけだったこともあり、扱いとしては脇役の一人だったにも関わらず、『シン・ゴジラ』を代表するキャラクターの一人となったようです。


 こういう方が現実にもいるかもしれませんが、どちらかというと『虚構』側のキャラクター。登場人物ちらりと『私』の顔を見せる中、最後まで『公』としての(自分の)役割を全うしたキャラクターなのかなーと思います。


 中盤で『シャワーの話』が出てくるところは、本気で言ってるのか、冗談で言っているのか分かりませんが、たぶん本気でしょう(笑)

 

『尾頭ヒロミ』というキャラクターを語るうえでもっとも重要なことは、『最後の笑顔』だろうと思います。


 ほとんど無表情だった尾頭ヒロミが、『放射能の半減期』を見つけたときに浮かべる笑顔は、『無表情だった仮面の下』に『様々な思いがあった』ということを理解できる名シーンです。


 不安だってあっただろうし、焦りだってあったと思う。

 そういった感情を隠して、彼女は自分の役割を全うした。


 そして、災害に対する復興の希望が見えたところで、ぽつりと呟く。

 思わずこぼれてしまったであろう笑顔と共に。 


 このシーンは『尾頭ヒロミ』というキャラクターの内面を描くと同時に、災害との戦いは『復興の目処が立つまで終わらないよ』という製作者からのメッセージが込められていたような気がします。


『シン・ゴジラ』という物語の中で、『(冷静に)公としての役割を全うする』

 それが『尾頭ヒロミ』というキャラクターの魅力なのかなーと思います。

 

 では、次は別のキャラクターを。

 たぶん賛否両論の彼女の話。


<第三回 完>

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