小生、シン・ゴジラで妄想するの巻
楽しむためのターニングポイント(ネタバレ)
最初に何を書こうかと悩みましたが、応援のコメント返しでこの話をちょっと書いたので、ここで詳しく書いていこうと思ふ。
さて、全ての人間は二つに分けられる。
『シン・ゴジラを楽しめる人間』と『シン・ゴジラを楽しめない人間』であるわけが無い。当たり前だが、もっと複雑である。
という小生ジョークは横に置いといて。
残念ながらこの『シン・ゴジラ』という作品は、細かい部分も含め、ある程度『日本』という国に対しての理解が無いと、楽しみが半減してしまう作品ではないか、と考えています。
これは外国人に面白さが伝わらない、というような意味ではなく、そもそも物語の展開を理解できないのではないだろうか、と思うからです。
その大きなターニングポイント『自衛隊の最初の出撃シーン』。
このシーンで、自衛隊はゴジラを攻撃することなく撤退します。
その結果、ゴジラはそのまま姿を消すことになるのですが、ここで『攻撃しろよ馬鹿野郎』とか『この話はコメディか』と思ってしまう視聴者は、『シン・ゴジラ』を楽しめないのではないか、と考えます。
なぜ、自衛隊がここで攻撃を開始しなかったかというと、それは二人の人間が避難を終えていなかったからです。このまま戦闘を開始すれば、巻き込まれる可能性が高くなります。
『自衛隊の戦闘に国民を巻き込むわけにはいかない』
総理はそう判断し、攻撃を中止したわけです。
この瞬間、『日本政府ならそう判断するかも』と納得できてしまう視聴者の方が、『シン・ゴジラ』という作品を楽しめると思ふます。小生もその一人でした。
『なぜ攻撃しないのか』という疑問は無く、ただそれをあり得る展開だと受け入れてしまったのです。おそらく多くの国では、あそこで攻撃を開始するのが普通の考え方なのではないかと思います。つまり、あそこで攻撃しなかった理由が理解できないわけです。
もっとも、あそこで攻撃をしたとしても、『ゴジラ』を倒せたかというのは不明だったりします。もしかすると、避難する二人を巻き込むだけの結果に終わったかもしれません。例え倒したとしても、日本ならば責任を追及されそうな展開ですけど。
ついでに言えば、攻撃を中止したとしても、あの二人が助かったのかは分かりません。たぶん無事だと思いますが、『ゴジラ』に蹴飛ばされている可能性も無くは無いでしょう。その後、巻き込まれた可能性だってありますね。
日本政府は二人の国民の命を助ける代わりに、『ゴジラ』を撃退する最大のチャンスを失ったという見方もできますし、逆に日本政府は『ゴジラ』に無駄な攻撃を仕掛けないことで、二人の国民を救ったという見方もできます。
どう解釈するかは視聴者次第でしょう。
ただこのシーンで『日本政府が攻撃を回避した理由』を、納得はしなくとも、理解できていないと、この場面で『出来の悪いコメディ映画』という感想を持たれたとしてもおかしくないと思います。
外国人が面白いと思わない映画というより、日本人の方が面白いと思い易い映画ということでしょう。国によって政府という存在に対しての認識の違いがあるのですから。そもそも『政治を扱った作品』というのはその国に暮らしていないと理解できない部分が多いのです。
問題となる部分に温度差があったりします。
そもそも『なぜそれが問題になるのか』という温度差です。
これは後から書く予定の『核』という要素にも絡んでくるお話です。
日本人が海外ドラマを見て、理解できない風習や習慣などが出てくるのと同じで、この『シン・ゴジラ』という映画にも、日本人の方が理解し易い要素が多いというわけです。ジョークの面白さが国によって変わるのと、同じような問題でしょう。
ただこれは『日本人なら絶対楽しめる』という意味ではありません。
理解し易いだけで、理解を示すことと楽しむことはまた別問題なのです。
そこを勘違いすると、『日本人ならこの作品の良さを理解すべし』という意味不明の主張になってしまいます。べしべし、猫ぱんち。
ちなみにこのシーンと、『ヤシオリ作戦』で避難が完了していないのに作戦を決行するシーンは、対になっていると考えられます。どちらが正しいということではなく、後半の方が追い詰められた状況だからでしょう。
うん、自分が理解できないことでも『馬鹿馬鹿しい』と切り捨てず、もう少しだけ考えてみると、新しい扉が開けるかもしれません。もちろん、開けないかもしれません。それを判断するのも、作品を味わう誰か次第なのです。
何かイイ感じになったところで、今回は終わり。
書くことはまだありますが、次に何を書くかは未定です。
はいはい、いつも通りのことでございます(笑顔)
<第一回 完>
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