20話 同居二日目!
昼ご飯を食べ、だらだらと過ごせば一日は過ぎ去っていくわけで、あっという間に時刻は五時過ぎ。本当にこれが軍の隊員たちの生活なのか疑いたくなるくらいだ。
今日のハクトのお風呂のお供はメッシャである。先に入ってもらい、ハクトはしばらく時間をおいてから脱衣場へ入る。タオルを着けて浴室へ入ると、湯船でメッシャが足を伸ばしていた。もちろん、湯船がそんなにでかいわけではないので、上に向けてだが。
「シャワー浴びるからもうちょっとノビノビとしてていいよ」
「オッケー!」
ハクトが入ってくるのを見て足を下ろしかけたメッシャだが、ハクトの声掛けで再び伸ばして浴室の壁に足の裏をつける。……にしても足の長いことだ。ハクトの足の長さの1.5倍はあるんじゃなかろうか。
ハクトもさっとシャワーを浴び、メッシャにスペースを開けてもらって隣に浸かった。メッシャは狭い浴槽(しかも半分)に収まるため、長い足を折り畳むのが大変そうだ。
いつもあまり長いわけではない茶色い天然パーマの髪の毛をポニーテールにしているメッシャだが、今は下ろして普通のショートカットみたいになっている。軽くハクトの腕に触れているメッシャの右腕は、細いながらも筋肉が目に見えるほどついていて、美鈴のふにふにした感触とはまた違った感じだ。流石プロスポーツ選手である。――まあ美鈴もそうなのだが。
割と快活でお喋りな印象のあるメッシャだが、二人きりだと口数は少なく、温まって満足すると「先に出てるネ!」と立ち上がり、長い足でひょこひょこしながら浴室を出て行った。
晩ご飯も済ませ、適当なテレビ番組を視聴し、11時くらいには就寝タイムになる。今日のハクトのベッドのお供は琴里だ。テレビを消し、電気を消しても、ハクトの隣で琴里はひたすらスマホゲームに勤しんでいる。どうやらリズムゲームの類らしく、せわしく動く親指を見ているだけで目が回りそうだ。
「寝ないの?」
どうやら一曲終わったらしいところで、できるだけ小さな声で訊ねる。
「今週一週間はイベ走るから2時くらいまで起きてるけど。気になるならどっか行ってようか?」
流石、ゲームで優秀な成績を修める人だけあって、ゲームに対して本気である。
「別に大丈夫だけど……それより音楽ゲームなのに音聴かなくてもいいの?」
「全部の曲、頭に入ってるし。初見でもmasterくらいなら音なくてもフルコンできるしね」
ハクトが返答した時には既に次の曲が始まっていたのだが、琴里はプレイしながらもそう答えた。話しながらなのにゲームのコンボは途切れていない。
「早く寝なよ」
「何それ、ママみたい」
ハクトは琴里が若干笑ったのを見てから、布団の中に潜り込んだ。
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