幕間 夏間のうるい

 まだ、時間はある。

 いや、ない。

 ざわざわと、室内を、室外を、何かが揺らす。

 どうする?

 どうもこうも。

 やがてぴたりと、声達は口をつぐんだ。

 ほとんど聞こえない足音が、廊下を通り過ぎると、またひそひそと話し始める。

 内容は、口さがない噂話のようなものだ。

 あちらこちら、時代と場所を移動して、思い出話も紛れ込む。

 さても、さても。

 神去りし地に、神を呼び戻すべきか。如何せん。

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