就活生の憂鬱

就活弱者

第1話 大前研○越えも間近である




大前氏といえば日本におけるコンサルタント業界の巨人である。


しかし今日、私はそのようなコンサル業界の民から祈られることによって、「巨人」大前氏をも凌ぐ、コンサルの「神」となる道を一歩踏み出した。



しかもサイレントお祈りである。これはもう、口では言い表すことができないものすっごいお祈りが私に捧げられているに違いない。マ○キンゼーの本社にメシアとして迎え入れられる日も遠くないだろう。



私の信者のためにも、ますますのハッテン♂をしていきたいところである。

(ちなみに今回の信者はマ○キンゼーではないし、マッ○ンゼーは受けていないので私の信者になることはない。残念である。)



さて、信者の本懐である私のハッテン♂を成し遂げるために、なぜ信者を祈らせるにいたったのかを冷静に考えていきたい。





まず一つ目は、思いを十分に伝えることが出来なかった点だ。


信者が私にお祈りを捧げてきたのは、私が信者に預言を与えるために行った2回目の謁見の後であった。

2回目に私に謁見を願い出た信者は、1回の信者とは別の者であった。私は預言が共有されているものと思い、今回の預言は必要最低限に留めた。なぜなら、信者は下界では高位の者らしく、忙しいゆえか、前回の謁見よりも時間が短かったからだ。


しかし、これが間違いだったのかもしれない。


「神々」とそうではない「下々の祈りをもらえない者」が集うアゴラ「みん就」にて、前回の謁見時に与えた預言は共有されていないのでは?という可能性が浮上してきた。そうであれば、私が「如何に信者のポリスをより良いもしたいという情熱を持っているか」を十分に伝えることが出来なかたったのではないかと思う。


もしかしたら、これが信者を不安にさせてしまったのかもしれない。


次に他のポリスの信者と謁見する機会があれば、前回の預言がどのように広まっているかを確認していきたいところだ。




次に二つ目だが、「なぞなぞ」に対する造詣が深くなかったという点だ。

エジプトのスフィンクス然り、古来より「なぞなぞの」に対する造詣の深さを問うと言う行為は、人々の心をひきつけてきた。今回の信者も、私の「なぞなぞ」に対する造詣の深さを問うために「玉手箱」というなぞなぞをといて欲しいという願をだしてきた。


結論からいうと全然だめであった。こ、これは私が完璧に答えてしまうと、信者がスフィンクスのように崖から身を投げるのではないかと危惧したからだ。(真顔)


信者にとってはいらぬ配慮だったかもしれない。


もっと「なぞなぞ」に精通した神になれるように精進していきたい所存である。




最後に、私が永遠に信者のポリスに目をかけ続けていくかどうか、不安にさせてしまった点も大きな理由だといまさらながら思う。


今回の信者達は、ダーマ神殿をよく利用することで有名な民であった。なので、私も謁見者にダーマ神殿の話題を出してしまった。これはいまさらながら不用意な発言であったと思う。やはりどのようなポリスであれ、謁見時にダーマ神殿の話題を出すなど愚か者のする行為であった。と、今は深く反省している。




就活神に俺はなる。ことを目指して、これからも民の祈りが届くたびにその祈りを冷静に分析していきたいと思う。

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