第2話「僕は今回も山田と言うのか」

 目の前にナースさんがいた。

 心配そうな顔をしている。


 大丈夫ですか、と言いかけて気づく。


「あー?」


 そうだった、僕は転生したんだった。

 ということは今は赤ちゃん?


「山田さん、無事に呼吸しましたよ!」


「そう…よかった」


 ナースさんは僕を抱えて女性のもとへ。

 ふむ、この人が新しい母さんなのか。

 そして僕は今回も山田というのか。


「あー、たー」


「あら、元気な子ね。全く泣いてないわ!」


 母さんは嬉しそうに僕を見つめる。

 完全に赤子のようで、声は出せても喋れなかった。


「山田さん、子供の名前は決めてあるんですか?」


「極めてあるわ…この子は男の子だから、マイケル!」


 は?山田マイケル?


「いい名前ですね!」


 正気かナースさん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る