日々のこもごも

背景高子さん。


お元気ですか。私は元気です。


あなたは昔、私が中学で激太りしたのを散々からかってくれましたね。それから私の傘が可愛いから自分のナイロンの奴と交換しろと迫ってきましたね。


あなたは今じゃモデルとしてテレビを闊歩し、昔の友人として呼ばれた名も知らない美女たちときゃっきゃうふふと馴れ合い染め合い、どうしてそんな薄情な真似ができるのか、ということをしでかしては故郷の顰蹙を買うばかり。


しかし私にはこうして月一回の手紙をくれますね。私は今じゃガリガリに痩せたのでこうも強気に出られます。今じゃヨガインストラクターとして活躍する私にも、少しは怖いものは無くなったのですよ?


さて高子さん、あなたは日々どうしたこうしたとパーティーの様子やら、彼氏が浮気してるかもしれないということ、友達と喧嘩して裏で散々な目に遭わされたということを書いてきますが、いや待てよ、と私は思いました。


あなた最近テレビ出てないですよね。あと雑誌では泥沼不倫して仕事干されたとか書いてましたよね。


あなたが心のSOSを発しているのは痛いほどわかるのですが、一旦自分の足元に注目して自己完結する生活に帰ってみて欲しいのです。

いや、あなたにはそんな日々は一日としてなかったのかな?


私はかつて、大学ではあなたにハブられ、一人ランチをしていることを指さされて笑われて、そこでヨガの師匠の教室に通いだしてホ・オポノポノという思想を知ったり、一人で充実した時間を過ごすことを覚えたりと、一日一日と水を与えられた植物のように成長する自分を感じ、周りから迷惑を掛けないと褒めていただいたりして、それを後で知ってびっくりしたりしたものです。


大人とは一人で過ごすもの。


そう師匠が教えてくださいました。

あなたに今それを伝授したく思います。


ね、考えてみてください。

不倫なんてする男の、どこに魅力があったって言うんですか?


最初から奥さんの元に帰るのは見えていたのに、何故そんな無駄な時間を過ごしたのかご自分でも不思議だと書いておられたではないですか。


あなたに必要なのは、自己完結する時間です。


音楽でも聞いて、pvにでも見入っておられては如何ですか?


あなたを一度私の教室に招待したところ、あなたはいちいち文句をつけて満足せずに帰られましたね。私あれには目を瞑ります。


案外ね、人は見ていて、その分が跳ね返って来るんですよ。

善人には善人の、悪人には悪人の生活があるわけです。あなたは今悪人です。

人の物ばかり欲しがらず、たまには植物の種でも巻いて、はつか大根でも育ててみなさいな。


全てはそこからです。


四畳半で座禅している私より。


p.s.私は収入に見合わない生活をしていますが、あなたとは逆に褒められますよ?

では。

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