針を呑む
朝日が昇る頃に目を覚まし、身支度を整える。
裏庭に植えてある氷草――砂漠でも容易に育つ、それでいて瑞々しい植物だ――と、西瓜の葉にたまった朝露を小さな瓶にかき集める。一日で取れる朝露なんて微々たる量だけれど、それでも二週間も溜めれば飲み水として申し分ない。
硝子窓についた霜を、別の瓶で集める。これは溜めれば手洗いに使える。髪だって洗える。日差しの強い砂の街では、硝子窓なんて取り付けるのは自殺行為と言えるほどだけれど、こうして昼夜の寒暖の差を利用して霜と言うわずかな水を集めることが出来るのだ。
そうして一通り集めた水を部屋に戻し、布で濾し出す。
次第に空気が熱を帯び始める頃、今度は家中に張り付いた細かい砂の粒を――無駄だとはわかっていても、払う作業に入る。床を乾拭きし、窓も磨いて、最後に布で覆う。
何も変わらない朝。何も変わらない一日。
けれど、【それ】は確実に僕の体を少しずつ蝕んでいた。
気を抜けばすぐに、視界が眩んで、胃液が迫り上がる。
僕は、いつまでも胃液と唾液を吐き続けた。体中がずきずきと痛く、叫び出したくてたまらない。体温は日に日に、人間のものではないみたいに冷えていくのだった。唇や爪はすっかり紫色だ。僕は母さんの古い化粧を借りて、顔色をごまかしていた。目は落ち窪んでいる。もう何も食べてすら居ないのだから、ますます酷い。でも、どうせ吐いてしまうのに、どうして食べることが出来るだろう。どうして水を飲んだり出来るだろう。そんな風に無駄にしてしまうくらいなら、じいちゃんに栄養をつけてあげたい。けれどじいちゃんがそんなこと望まないだろうことはわかっていた。僕がこんなことをしているのをもしも知ってしまったら、じいちゃんは絶対に止めるだろう。でも、これくらいじゃ足りないんだ。
僕は、あの日から、ヨーデリッヒが作った薬を飲み続けていた。
こんなにも苦しいものだなんて、知らなかった。
本当は、救世主の骨を体に埋め込んでから、薬を飲むのだと言う。
そうすれば、ほとんど苦しむことなく、僕は人間ではなくなる。神様の使徒になる。
恐ろしい話だ。そんな簡単なことで、人間をやめてしまえるのだ。
ギリヴは、この薬を飲む実験台だった。
飲み続けた結果、苦しんで苦しんで、記憶も失ってしまうほどに蝕まれて、死にかけて。
そうして、他の使徒から、救世主の骨を埋め込まれたのだと聞いた。
救世主の骨は、体を癒し修復する力があるのだそうだ。
ギリヴのおかげで、薬から飲んではいけないのだとわかったよ、とヨーデリッヒはどこまでも無邪気に笑っていた。その後の四人には、先に骨を移植した上で、薬を飲ませたのだと言う。結果、彼らは誰一人として、ギリヴのように苦しまずに済んでいる。
そんな馬鹿な話があるだろうか。苦しんだのはギリヴだけだなんて。
僕はヨーデリッヒが憎かった。何もかも憎くて憎くてたまらないけれど、何より、そんな話を僕にしたことが、殺してやりたくなるくらい、本当に憎らしかった。誰かを殺してやりたいだなんて、そんな醜い気持ちを持ってしまうだなんて、思ってもいなかった。僕はきっと、ヨーデリッヒに会ってしまった時から変わってしまったのだ。もう自分がどんな人間だったか思い出せないでいる。いや、もしかしたら、ギリヴと出会ってしまった時点で――彼女に惹かれてしまった時点で、もう僕は僕ではなくなっていたのかもしれない。
そんなことを僕に話して、一体ヨーデリッヒはどういうつもりだったのだろう。
……わからない。わかるわけがない。理解したいとも思わないけれど、それでもあまりに理不尽なことばかりで、恐ろしいことばかりで、僕は結局、ヨーデリッヒしか知らないことを知りたいと思ってしまっているのだ。どうしたらギリヴを助けることが出来るだろう。どうしたらまた笑えるようにしてあげられるだろう。今の僕は何も知らなさすぎて、何も出来ないのだから。結局、全ての元凶を、全ての真実を抱えた、もうほとんど自力で動くことも出来ないような脆弱な人間たった一人のことを知らなければ、もう進むことも出来ないのだ。
僕はまだ、ヨーデリッヒの記憶を受け入れるよ、とは伝えていない。ただ、薬をくれ、と言っただけ。
ギリヴだけが苦しむなんて、そんなのは可哀想だ。けれどこんな気持ちでさえ、もうとっくにヨーデリッヒに浸食された、気色の悪い考えなんだろうと思う。これは僕のただの自己満足だ。彼女が味わった苦しみを、ちゃんと知りたい――そんなのは綺麗事で。だけどヨーデリッヒは、僕がそう考えてしまうだろうと恐らく誰よりもわかっていた。それが恐ろしくて憎らしくて、僕はもう、自分自身の体を蝕むこの苦しみに耐えることでしか、鬱憤を晴らせないでいる。
ギリヴは体中に腫瘍ができたのだと、ヨーデリッヒは言っていた。だとすれば僕も直に、人前に出せない顔になってしまうだろう。可哀想に。あんなに綺麗だった顔が、そんな姿になっていくのをあの子は見ているだけしか出来なかったのか。どんなに「あなたは綺麗だよ」と伝えても、あの子はそれを幸せだと思っていなかった。綺麗な色だったのに、愛らしかったのに、いつだって、髪のことを気にして、落ち込んでいた。あの子は劣等感の塊なのだ。僕ときっと似ていたのだ。手にあるものは、本当に欲しかったものではないのだと、そう感じてしまう――だから劣っているという気持ちに苛まれる。そんなあの子にとっては、きっとヨーデリッヒは、こんな体になってでも本当に欲しかったものだったのだろう。あの子の考えた自分の居場所だったのだろう。ヨーデリッヒのために自分を犠牲にすることが、それだと信じたんだろう。……馬鹿な子だ。
最後の時、記憶を失ってしまう時、彼女は気づいただろうか。そんなものは欲しいと思う価値もないものだったって。
ああ、でも、僕も人のことを言えない。
どうして僕は、じいちゃんがいるのに、こんな薬に手を出したんだろう。
どうして、待てなかったんだろう。
……こんなの、じいちゃんを捨てようとしているようなものじゃないか。
じいちゃんが愛してくれた僕自身を、僕は捨てようとしているのだ。ただあの子と同じものになるためだけに。ヨーデリッヒの要求を飲むためだけに。
本当に、僕はこれで良かったんだろうか。
……そんなこと思ってしまう時点で、おそらくこれは、間違いなのだ。
じいちゃんのことを思えば、僕はギリヴのことを忘れなければいけなかった。ヨーデリッヒについて行くべきじゃなかった。あの日のことは全て悪夢だったんだと言い聞かせて、耐えるべきだった。それでも目を塞げないのなら、じいちゃんが死ぬまで待てば良かったのだ。死んだ後で僕がこんなことをするのを、じいちゃんが喜ぶとは決して思わない。だけど、少なくとも、生きている間に哀しませることはないはずなのだ。でも、ああ、これだって、結局我が身可愛さなのだ。僕はただ、僕自身の罪悪感から逃れたいだけだ。僕は、じいちゃんがいつ死ぬのかなんて考えたくなかった。じいちゃんが死ぬのは見たくない。そうだ、見たくなかったのだ。僕は、僕は……。
口元を拭って、ぜえぜえと喘ぎながら、僕はまた今日も玉葱の皮を剥く。何も考えたくない。何も考えられない。取り返しがつかない。もう止めることが出来ない。どんどんどんどん糸が解れて零れていく。縫っても縫っても間に合わない。糸を縫う針も、もう折れてしまっているのかもしれない。僕はもう、針のない手でどうやって綻びを直せばいいのかわからない。
魔が、さしたのだ。
震える手で鍋をかき混ぜる。体は日常をまだ覚えている。頭の中は混乱していても、いつも通りに動く。日常を続けようと震えている。ふいに、震えが止まる。薬を飲む時間が来た。飲み続けなければいけない。苦しみ続けなければならない。そうだ、僕は懺悔し続けなければならない。どうしよう。どうしよう。
どうしよう。どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。
鏡に血色をわずかに取り戻した僕の冴えない顔が映る。僕はそれをぼんやりと眺めながら、紙の袋を契って、粉を喉に流し込んだ。
【何をしているんだ】
僕は動けなくなる。嘘だ。じいちゃんはもう動けないはずだ。どうして。どうして。
振り返ると、誰もいない。本当に? 確かに声は聞こえたのに?
僕は怖くなって、そっとじいちゃんの寝室の扉を開けた。じいちゃんはまだ横になっていた。僕のたてた物音に、顔をゆっくりとこちらへ向ける。
「どうした? 顔が真っ青だ。具合でも悪いのか」
じいちゃんが優しい声でそう言う。
「な、なんでもないよ」
僕は口の端を引きつらせた。
「もうすぐ、朝食が出来るから、待ってて」
「ああ」
じいちゃんはゆっくりと頷いて大きく息を吐くと、また目を閉じる。
ああ。
僕は扉を閉めた。
本当に、これは現実なんだろうか。じいちゃんはどうして気づかないんだろう。それとも気づいているんだろうか。何も言わないでいてくれているんだろうか。何も、もう言えないんじゃないのか?
見限られたらどうしよう。そんなことあるはずがない。じゃあ僕は? 僕はどうしてたった今もまた薬を飲んだ? じいちゃんを見限ろうとしているのは誰だ? じいちゃんはもう動けない。いつからだ? いつからこうなってしまった? あんなに、一緒に木を削っていたのに。どうして? そうだ……僕は、いつから、木を、革を触るのをやめてしまった? この家に、背を向けてしまったんだ?
頭が、割れるように、痛い。
「じいちゃん、ご飯だよ」
僕は、力なく笑って、じいちゃんの寝台の横に取り付けた小さな台に食器を乗せる。じいちゃんの体を支えて起こす。もう、じいちゃんは、自分でうまく起き上がることも出来ない。
「エスト。お前、痩せたな。ちゃんと食べているのか」
じいちゃんが僕の腕を見て眉をひそめる。僕はへら、と笑う。
「最近、バテ気味なんだ……そのうち食欲も出ると思うから」
じいちゃんは何も言わずに、パンを千切る。
「あのお嬢ちゃんのことは、いい加減に諦めなさい」
ふいに放たれたじいちゃんの言葉に、僕は身を固くした。まさか、知っているはずはないのに、どうしてそんなことを言うのだろう。
「あのお嬢ちゃんと会うと、お前はいつも楽しそうだった。若いうちはいくらでもいい。そう思って、お前のことを見守っていた。だがな、エスト。あのお嬢ちゃんに、あまりのめり込むな」
「な……、んの、こと?」
僕は擦れた声で応える。
「お前は俺たちに似て、平凡な男なんだよ、エスト。あのお嬢ちゃんはお前と住む世界が違う。恋に落ちるのはいい。愛するのも構わない。けれど、のめり込むことは、愛ではないよ、エスト。お前より長く生きた俺だからこそ言える、お前への忠告だ。お前のそれは、愛ではない。自分に浸っているだけだ。酔いしれているだけだ。あのお嬢ちゃんに恋する自分に、浮かれてしまって、引っ込みがつかなくなっているだけだ。それは愛じゃあないよ。その程度の想いでは、お前も、そしてあのお嬢ちゃんも幸せにはなれん……。そしてお前にはあのお嬢ちゃんを愛してやることは出来ないよ。諦めてやるのも思いやりだ。もう、忘れなさい。いつか、そうしてよかったと思える日が来る。今突然こんなことを言われたところで、すぐには納得出来ないかもしれんがな」
あ、い……?
僕は戸惑っていた。愛? 愛ではない? 自己陶酔? 引っ込みがつかない、だけ……?
「そう、だね……」
僕は絞り出すように応えた。なんのことはない、冷静に考えれば、たったそれだけのことなのだ。女の子とまともに話したこともない、もてない、冴えない子供が、華やかで愛らしい女の子とお近づきになれた。浮かれない方が無理だ。そして僕のこれは、ただの自己陶酔、自己満足。自己犠牲……自己犠牲? それが、ギリヴと、どう違うと言うんだ。
「でも、じいちゃん、僕には、あの子を忘れるのは、難しいよ」
僕は、擦れた声で零した。
「若いうちはな。誰だろうとそう思うものだ。俺だって、覚えているよ。だがな、それも、そんな別れも、必要だったと思う日も来たんだよ。俺は今幸せだ」
じいちゃんは、静かにスープをすすった。
「それしかない、と若いうちは狭量に考えがちだな。狭い世界しか知らないから、狭い世界しか見えない。それしかない、もう他にないと思い詰めてしまうものさ。しかしなあ、これが、いったん諦めてみると案外世界は広いと知らされるものでなあ。選択肢はいくらでもあると気づかされたのさ、俺もな。思い詰めているときほど、目の前のことしか見えないし、それしか知らないのだから手放すのだって恐ろしいさ。お前が今、あのお嬢ちゃんに苦しい気持ちを抱えているんだとすれば、それはお前が思い詰めている何よりの証拠だよ。神様が、いったん捨てなさいとおっしゃっているんだ。俺は今になって思うんだよ。ずっと、この店で、ちっぽけな狭い世界で生きてきたがな、そして何度も諦め、手放してきたよ。婆さんを亡くしたときも、ロベルトやエルゼが先に逝ってしまった時も、俺はもう死んだ方がいいとずっと思ったさ。だがなあ、今となっては、そうやって一つ一つ諦めてきたことで、俺は今、広い世界を知ったと自負出来るさ。悲しみも喜びも、幸福も、不幸せも、全て手に入れた。俺は今まで、生きてきてよかったよ」
じいちゃんは、そう言って、穏やかに家族の写真を眺めた。
胸が痛くて、僕は涙をこらえた。そうか、じいちゃんは、幸せだったんだね。それでも幸せだと、本当に、本心から思えているんだね。
じいちゃん、僕が、間違ってた。
でも、もう、僕は――。
「じいちゃんにしては、なかなかに詩人だね。どうしたの?」
「こいつめ」
僕が笑って言うと、じいちゃんは穏やかに目を細めて僕を見つめた。そして、また静かにその視線は離れていった。僕は、別れを自覚していた。
「それから、そうさなあ、」
じいちゃんは考え込むようにゆっくりと言う。
「この間、お前の友達が来ていたろう。俺は姿を見ていないが、あんまり深入りするんじゃないぞ」
僕は、全くその通りだと内心思いながら、聞かずにはいられなかった。
「どうして?」
じいちゃんが、何と言うのか、知りたかった。
「喧嘩を出来る友達はなあ、いい友にもなり得るだろうなあ。だが、お前を一方的に
僕は頷いた。
「そうだね、全くもって、その通りだ」
「わかっているなら、いいさ」
それ以上、じいちゃんは何も言わなかった。
僕はそっとじいちゃんの部屋を後にする。
「はは……」
渇いた笑いが漏れる。
ああ、もう、取り返しがつかない。
やめることは出来るだろう。なんならいっそ、青い骨とやらを埋めてもらってからでも構わない。人間の振りをして暮らし続け、いつかひっそりと自ら命を絶つことも恐らく不可能ではないはずだ。薬だってもうやめればいい。そのうち僕は死んでしまうだろうけど、少なくとも人間で居られる。あまりに早く死んでしまう僕に、じいちゃんは哀しむだろう。きっと、生きていたら、死んでいても、父さん母さんだって。でも、仕方ないな、と、きっと受け入れてくれる。
それでももう、取り返しはつかないのだ。
僕はギリヴを諦めることが出来ない。あの子をあの場所に置いていくことに耐えられない。僕は別のものを諦めたのだ。いつの間にか、すんなりと諦めてしまっていたのだ。
僕は、もうヨーデリッヒを責めることが出来ない。そんな資格もない。
僕は、家族を諦めたのだ。家族と居る未来を諦めた。じいちゃんの孫であったことを、父さんと母さんの息子であったことを諦めた。あんなにも焦がれていた靴作りさえ、手放してしまえるほどに。結局、僕の付け焼き刃なんて、その程度のものだったのだ。きっと、父さんやじいちゃんなら、靴を手放すくらいなら死を潔しとするだろう。僕だって同じなのだと信じていた。僕は、【
なんて、薄情な人間だったのだろう。
考えてしまえば、簡単だ。僕はじいちゃんの死だって、直視したくなかった。いつだって逃げたかった。逃げられなかった。いい子で居なければと思っていた。この店を守ることが、僕の存在意義だった。じいちゃんがそう望んだ訳ではない。僕自身が、そんな意味付けをすることでしか、僕の存在意義を認められなかったのだ。僕はとうの昔からずるかった。いつだって、他己に言い訳を求めているのだ。
「あと、どれだけ、一緒に居られるかなあ」
僕はどこか凪いだ気持ちで、胸にぽっかりと穴が開いたような心地で、呟いた。
不意に、壁にかけた鏡に映る自分の姿が、目の端を捉える。
真っ白な髪に、紅い瞳をしたもう一人の僕が、僕を虚ろな目で見返していた。
「う、そ……でしょ」
鏡に触れる。目の前の僕は、相も変わらず空洞の目で僕を見ていた。
髪の毛を抓む。いつの間にか体中の痛みさえ鈍く、滅多に知覚出来ない。
色を枯らしてしまった髪の毛。いくらか抜けて、それは床にはらりと落ちていった。
顔中に広がる紫がかった茶色の染み。
まるで老人のようだ。落ち窪んだ目。
「ああ、」
僕は、まるで他人事のように呟いていた。
「もう、ここにはいられない……」
短慮なことはわかっている。そしてただのいい訳だということもわかっている。
育ててもらった恩を、こんな仇で返すことになるとは思っていなかった。
最低の孫だ。
それでも僕は僕自身に言い訳し続けるだろう。こんな姿を見せるわけにはいかなかった。見せて、心配させるわけにはいかなかった。もう僕にじいちゃんを看取る資格はない。
僕はもう、化け物になるから、と。
小刻みに震える手で、最後の手紙を書く。宛名はじいちゃんではない。僕にはもう、じいちゃんにかける言葉なんてない。そんな資格もない。
コートを羽織り、フードで頭を隠す。扉の鍵をかけ、鍵を植木鉢の下に隠す。
ガラス窓の向こう側で、エリーゼが今日も花のように笑ってお客の相手をしているのが見えた。
僕はその窓枠の隙間にそっと手紙を差し込む。少しだけ窓が揺れたせいで、エリーゼがはっとこちらを見るのが見えて、僕は頭を隠すように俯いた。
固く目を瞑って、背を向ける。
もう、戻らない。
僕がじいちゃんを見たのは、声を聞いたのは、それが、最後だった。
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