stage5
顔を赤らめて梅月和恋ちゃんは自己紹介をした。
と、そこで
「あ〜あ〜、マイクのテスト中でーす
聞こえますかー?」
女の声が響いてきた。
空から。
「ちょーっと遅くなっちゃったねー、久しぶりー皆♪」
久しぶり?それに、皆って……。
「あ、不思議に思ってる子多そうだねー。じゃ、とりあえず……」
「ぎゃっ!」
また和恋ちゃんが悲鳴をあげる。
それも仕方ないだろう。
目の前が一瞬で暗くなったのだから。
「あっははは!すっごいねぇ!ここ!声の主さんが動かしてんのかな!?」
衣都覇がテンションをあげてはしゃいでいる。
「お、おい衣都覇そんな声出すなって────」
ぱっ、といきなり暗闇が引いてった。
引いていったというのが一番似合うくらい暗闇は消えていた。
「あ〜あ、無くなっちゃった。」
衣都覇がのんきにそんなことを言ってると俺のジャージを引っ張る白い手が見える。
───今気づいたが俺の格好は寝巻きのまんまだ。
「大丈夫?和恋ちゃん」
「…………」
怖いのか声が出せていない和恋ちゃん。
「あ、見て見て紀大君人がいるよ」
「え?」
ばっ、と衣都覇の方を振り返るとまばらに7~8の男女がいた。
皆驚いた顔をしていて立ちすくんでいる。
ちょこまかと動き回っているのは衣都覇だけだった。
そこでまた空から声が響いてきた。
「あ、こんばんはー。皆さんお元気ですかー?」
気の抜けた声に衣都覇が「めっちゃ元気だよぉ~」などと答えている。
「じゃあ、本題な入ろうと思いまーす拍手!」
ぱちぱちぱち、と衣都覇が手を叩く。
「肴君ノリがいいねー!気に入ったよ!」
「わぁ~。ほんとぉ?」
へらへらした衣都覇がそんな風に言った。
「それに比べてお前らぁ」
ピッ
ぴしゃっ
「え?」
遠くの男の人が1人首を無くした状態で立っていた。
近くにいた女の人が何が起きたのか分からず、停止する。
恐る恐る頬にべっとり付いた赤い液体を触り、その手を見た。
「いやぁぁあああああ!!!!!!!!!」
悲痛な叫びが俺の耳をつんざく。
その中にけたけたと笑う声がする。
空から聞こえてくる声だ。
「あはははははははは!!!!!!!!!綺麗に死んでったねー!あはははは!!!!!!!!!」
衣都覇は微動だにせず、それどころか興味無さそうに長めの髪を弄っている。
「あー、笑った。あ、さっきの人は黒田君って言うんだけど、態度がムカついたから殺しちゃった!こういうこともあるから気をつけてねー!」
「んー、分かったけどさぁ、僕達何すんの?こんな所に集められてさぁ。」
俺が聞きたかったことを衣都覇が聞いてくれた。
空の声は、少し間を置いて楽しそうな声で言った。
「貴方達には、これから始まるゲームに付き合って貰います!!!!!!!!!」
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