stage4
「お、女の子?」
くふっ、と含み笑いをして衣都覇は僕に言う。
「襲っちゃダメだよ?」
「襲わないよ……。」
とりあえず、女の子の方へ近づくと、年齢は中学生くらい?の華奢な可愛い女の子だった。
俺と衣都覇が近づくと驚いたのか、尻餅を付いていた。
「かっわいー」
衣都覇が、大笑いしながら少女に駆け寄る。
異常な程の速さで少女に近づき、大きな声で
「うわぁぁぁぁあああああああ!!!たぁぁあべちゃうぞぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!」
と脅している。
「ぎゃぁぁぁぁあああああっっっ!!!!!!」
少女は少女らしからぬ叫び声をあげて尻移動をしている。
が、尻移動が全速力に適うはずも無く呆気なく捕まった。
「バケモノぉおお!!!」
酷い言われようだ。
衣都覇は楽しそうに
「あっははは!可愛いねぇ~」
と馬鹿なことを言っている。
とりあえず、少女を落ち着かせるために話しかける。
「あ、えっと俺は紀大、こっちのは肴衣都覇。」
「…………………………」
───完全に警戒されている。
縮こまってこっちを睨んでいる少女に何を話せばいいか戸惑う。
とりあえず、何か話題作りを……
「ね~え、君ぃ」
衣都覇が喋りだした。
「名前なんていうのぉ?」
にひっ、と笑う衣都覇の行動にひやひやしながら2人を見守る。
「………」
「教えてよぉ~」
「…………………」
「あちゃぁ、やりすぎちゃったかなぁ?」
絶対に思ってないことを言ってへらへら笑う衣都覇。
「う~ん、このまま喋らないままじゃらちあかないからさぁ、紀大君、他行こ~」
「はぁ!?お前が脅かし───」
衣都覇が一瞬人差し指を唇に付けて笑った。
「あ~あぁ、つまんないの~」
俺は黙ってスタスタと歩き去ろうとしている衣都覇の後を追いかけた。
衣都覇の狙いは、
「──ま、待って!」
コレだ。
にやぁ~と笑いながら衣都覇が振り返る。
「なぁに~?」
「……………梅月和恋……」
う め づ き か れ ん で す
と、彼女は言った。
衣都覇は当たり前というように手を出し言った。
「よろしくねぇ」
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