stage3



目が、覚めた。

いつもの家の天井じゃ無い。それに、俺は今立っている。

そう、クララが立った状態だ。

「?ここ、どこだよ。」

周りを見渡すと嫌な紫の空が一面を覆っているのが分かった。

それに、奥の方では崩れかけた建物が黒いシルエットとなって立っている。

「や、君もここに連れてこられたの?」

「!?」

後ろからいきなり話しかけられ、心臓が停止しそうになる。

「あっははは!そんな驚かないでよ~、僕も他に人がいて少しびっくりしたけどさ~」

快活に笑うその子は、一人称を聞かないと女の子と間違えそうなほど可愛かった。…あれ?本当に男の子?

「待って、ちょい待ってくれ、あの、男の子だよね?」

そう言うと

「え~?男だよ?れっきとしたぁ。あ、確かめてみるぅ?」

「いやいやいやいや!」

妖艶に着ていたシャツをめくるその子を止めて、聞きたかったことを聞く。

「あ、俺は山寺紀大。ここに連れてこられた理由が分からない。」

「僕は~肴衣都覇よろしくぅ~」

さかな、いつは?

「あ、言っとくけど魚介の魚じゃ無いからねぇ~」

くふふ、と笑いながら衣都覇は言った。

「んー。僕は何で此処にいるかはなんとなく分かるかな~」

「え!?教えてくれる!?」

衣都覇が少し悩んで

「教えな~い!」

と走り出した。

「え!?ちょ、おい!!」

手を伸ばして逃げようとする衣都覇の手を握る。

はずが、するりと逃げていった。

幸いちょっと先で止まってくれた。

「あそこ、女の子がいるよぉ」

え?

衣都覇の指指した所には女の子が1人立っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る