仕事復帰、重大交渉

月曜日、いよいよ波留子の会社復帰の朝。三人で朝食を取り、仙の車で会社へ出勤。波留子の出勤時間に合わせて家を出て八時半前には会社に着いた。部長室へ入ると波留子は直ぐにコーヒーメーカーの準備を始め、メールやメモのチェックをして一日のスケジュール確認をした後、カフェオレを作って部長室へ入って行った。

秘書室との境のドアを開けっ放しにしておいてくれたので波留子はトレイを持ったまま部屋に入って行けたが、波留子に気付いた慎が直ぐにトレイを受け取りに来てくれた。

「有難う。朝家でカフェオレ飲む時間ないからね、いつも朝会社でカフェオレ作るの。マコちゃんもカフェオレにしちゃったけど良かったかな。」

「うん。もしかしてこの丸味のあるカップが俺の⁉︎」

「うん、そうだよ。ココアに合いそうなカップだから買ったんだ。気に入った?」

「へえそうか、このカップでココア飲む時手でカップを包むと温かい気分になれるんだ。このカップは俺専用、って事だよね。サンキュー、母さん。」

「えっ、今、母さんって言った⁉︎ ホントに母さんって。きゃあ仙どうしよう、嬉しい。マコちゃん大好き!」

「分かったよ。ところでもう直ぐ仕事が始まるからね、仕事モードに切り替えてよ。」

「分かってます。今スケジュール表取って来ますね。」

波留子が秘書室へ戻ると企画宣伝部のオフィスとの境のドアを開けオフィスにいた社員達に大きな声で挨拶した。

「おはようございます。色々御心配や御迷惑をお掛けしましたが、今日からまた宜しくお願いします。」

そう言って頭を下げた波留子を社員達は拍手で迎えた。

「お帰りなさい、ハルさん。今日からまた宜しく。」

「おかえり、ハルさん。」

「お帰りなさい、ハルさん。」

皆口々に挨拶を返してくれる。そんな様子を部長室のドアの所で見ていた仙と慎。

「仙。やっぱハルコって凄い人だよね。まあ彼女を選んだ、って言うか彼女に選ばれた仙も凄いよ。ハルコ幸せそうだもんなぁ。」

「あゝ確かに。彼女と結婚出来て本当に幸せだと思うよ。ところで慎に折り入って相談があるんだ。後で二人きりで話せるか。」

「ああ、いいけど。」

相談と言われちょっと驚く慎だった。

午前中は電話やメールの対応が殆どであまり席を立つ事もなく順調に過ぎて行った。昼時になると企画宣伝部の社員達から昼食に誘われた波留子は遠くへは行かれないから、と一旦は断ろうとしたが、隣のビルならどうかと言うので皆んなと出掛ける事にした。仙と慎は気をつけて、と声を掛け波留子を出すと自分達も昼食に出た。仙が会社の人間に聞かれたくないから、と慎を乗せ車で会社から少し離れた店で昼食をとる事にした。

「何、相談って。ハルコは一緒じゃなくていいの。」

「あゝ。波留子を喜ばせてやりたいんだ。」

「えっ、どう言う事。」

「お前、来月向こうへ戻って論文書いて提出したらもうやる事ないんだろう。」

「うん、まあ。って言うか本当はもう殆ど終わってるんだ。実は俺、経営学とは別に犯罪心理学と行動心理学も取ってるんだ。ハルコ言ってたろう、俺が人間観察が好きなんだって。あの時はマジびっくりしたよ、見事に見抜かれててさ。でさ、ハルコには今勉強してる事とか話したんだ。そしたら俺は未だ若いんだから色んな可能性を持ってるんだよって。もしもやってみたいと思う事があるなら考えてないでやってみなさい、って言ってくれた。だから仙、経営学はちゃんと修了するから、その上でこのまま勉強続けさせて欲しいんだ。金が掛かるのは分かってる。けど幸いうちは金に困ってないでしょう。だからやらせて、お願いします。」

テーブルに手をついて頭を下げる慎の姿に、

「駄目だって言ってもどうせやる気なんだろう。まして波留子がGOサイン出してるんじゃ止められる訳ないじゃないか。でも犯罪心理学や行動心理学なんか勉強してどうするんだ。刑事にでもなりたいのか。」

「いや、そうじゃない。FBIの研修生に誘われててそれに応募しようかと思ってる。」

「はあ、FBI、お前が。」

「そうだよ。悪いか。」

「いや、まあ未だ若いんだし誘って貰ってるなら期待値も高いんだろう。やってみればいいさ。」

「有難う、仙。でも俺、ずっとやるつもりはないから安心して。爺ちゃんの会社の事もあるでしょ。今のところ俺しか後継ぐ奴いないからそれも考えておかなきゃいけないし、人を使う立場になるなら行動心理学は役立つだろうからね。ハルコの事件で一層それを感じたし。」

「お前、たった十七で随分彼是考えてるんだな。」

「うん、ハルコと話してるうちに段々自分の人生プランを考えるようになったんだ。偉大なる母のお陰だ。ところで何、ハルコを喜ばせたい事って。」

「あゝ、そうだったな。実はお前の誕生日に向こうで波留子と二人、いや俺達三人だけで結婚式を挙げようと思ってさ。波留子は前の結婚式和装だったからウェディングドレスを着てないんだって。だから着せてやりたいんだ。それに俺だって初めての結婚だからしっかり式を挙げて、神様の前でちかいたいしさ。だから三月、お前の誕生日を祝いにアメリカへ行こうって連れて行って式を挙げようと思うんだけど、どう思う。」

「爺ちゃん達や義姉ねえさん達に黙って?」

「だってアメリカまで来てもらうんじゃ大変じゃないか。皆んなに休み取らせる訳にいかないだろう。第一そんな大々的にしたら波留子にバレちゃって逃げ出しちゃうよ。」

「そうか。まあ、人の事となると大騒ぎする癖に自分の事となると要らぬ遠慮するからね、ハルコって。うん、で俺は何すればいいの。」

「何処か素敵な教会を見つけて欲しいんだ。結婚式を挙げさせてくれる教会をさ。それと教会の近くで宿泊出来るホテルも。勿論お前も一緒だよ。部屋は別でな。」

「当たり前だろ、バカか。」

「後はウェディングドレスをどうやって知られずに用意するかだな。何かアイデアはないか。」

「ドレスを選ぶって事?それともハルコのサイズが分かればいいだけ。でもさ、ドレスって実際着てみないと似合うかどうか判らないんじゃない。同じサイズでもデザインによって結構違うし。」

「あゝ、なるほどね。お前、なんでそんなに詳しいの。」

「あのね、これくらい常識の範疇はんちゅうだよ。逆にその歳で思いつかない仙の方がヤバイよ。そんなにうといとホントにハルコに逃げられちゃうよ。」

慎の駄目出しに苦笑いするしかない仙だった。

午後は仙は企画会議、宣伝会議と二つの会議が入っており波留子は両方の資料を仙のデスクに用意しておいた。仙が会議中に急ぎの電話が二件入ったがいずれも担当者に回して事無きを得た。

またメールでの対応には波留子は慣れているようで、英文であってもさっさと確認しては返信して片付けて行った。

そんな波留子の仕事振りを身近で見ていた慎が波留子に尋ねてみた。

「ハルコ、とっても楽しそうに仕事するんだね。秘書の仕事、好きなの。」

「仕事の好き嫌いは関係なくどうせなら楽しんで仕事する方が効率も上がると思うんだ。でも、この仕事は好きよ。自分でも思ってなかったけど結構秘書の仕事って向いてるみたい。」

「そうなんだ。」

「うん。でもきっと家事や子育てしてきた今だから向いてると思えるんだろうね。秘書の仕事って上司に円滑えんかつに仕事をしてもらう為の裏方みたいな仕事でしょ。それって家族の為に色々準備する母親の仕事と似てるもの。資格を持ってるってだけじゃ気遣いや気配りは出来ないしね。」

「へえ、そういうものなのかなあ。」

「まあ、人によるんでしょうけどね。」

「でもハルコの仕事してる姿はなんか見てて楽しくなる。ハルコの仕事って楽しそうだなぁ、って思えて来る。」

「僕もそう思います。」

「えっ⁉︎」「えっ?」

「あっ、ごめんなさい。急に話に割り込んじゃって。でも僕、ハルさんの仕事振り好きですよ。電話なんかしてる時、話してる相手の人は気分良く話が出来て良いなあ、とか思ってたまうらやましくなります。」

「羨ましい?私が?」

「いえ、ハルさんと電話で話してる相手の方がですよ。僕、近過ぎて電話したら逆にしかられちゃいそうですから。」

「あはは、ハルコは叱ったりしないよ、本当に用があって掛けてくる電話なら。」

「本当ですか、良かったあ。それなら今度、電話させて下さい。」

「あら、お昼のお誘い電話も構わないけど。」

「ほ、ほんとですか、有難うございます。じゃあ今度お誘いしますよ、約束します。」

「面白い人だね。」

「去年の春に入社した新人君だから未だ可愛いのよ。」

「ふうん。」

「マコちゃん、何か飲む?そろそろコーヒーブレイクしようかと思ってたんだ。」

「うん。じゃあココア。」

「OK! 此処で待つ、それとも部長室。」

「此処で待ってる。」

波留子が秘書室のキッチンコーナーで慎の為のココアを作っているとミーティングを終えた仙が部屋に戻ってきた。ココアの香りをぐと、

「あゝ、好い香りだなあ。」

「仙も飲む?」

と慎が尋ねると、

「あゝ、でも今はちょっと。ハルさん、すまないがコーヒー淹れてくれないか。それが終わったら至急やってもらいたい事が出来たから急いでくれ。」

「はい、承知しました。」

ココアを作りながらコーヒーをセットし、両方ほぼ同時に出来上がると先に慎にココアのカップを渡し、トレイに仙のコーヒーを乗せ脇にイエローパッドとペンをはさんで部長室へ入って行った。

デスクに座りパソコンに向かっている仙がパソコンの画面を見つめたまま、

「急がせてすまない。でも時間がないんだ。あ、有難う。悪いがアメリカに国際電話を掛けてうちが依頼しているコマーシャル撮影の日程を三日ほど延期させて欲しいと交渉してくれないか。出演予定の俳優が事故で出られなくなってしまって代わりの出演者を探しているんだ。本当なら今夜出発する予定だったんだが。交渉頼めるかな。うちの部の人間じゃ交渉出来るほど会話に自信のある者がいないんだ。頼めるかな。」

「交渉になるかどうかは分かりませんが、やるだけやってみます。連絡先をください。本来の撮影日程も。では失礼します。」

メモを手に席に戻った波留子はオフィス側のドアを閉め、日程表に目を通し、パッドに変更内容を書き出し大きく深呼吸すると電話を取った。

秘書室の片隅かたすみにある来客用の待機たいきソファーでココアを飲んでいた慎は、波留子が電話の相手と話し始めたのを聞いて驚いた。アメリカに掛けているようなので時差を考えると西海岸で十一時間、先方は夜中の筈。にも関わらず波留子は相手を気遣いながら、けれども有無を言わさぬ強さで何かの延期交渉を始めたではないか。波留子の英語の発音にはアジア人特有のアクセントなまりがあまり感じられず流暢りゅうちょうな話し方に慎は驚いたのだ。結局三十分以上掛けて波留子は相手の説得に成功したらしく、途中から個人的な社交辞令に話は変わりそれからまた暫く相手と仕事について話し込んだ後、波留子は、「…Yes, I see. I promise you. Yes, yes. Anyway, I appreciate again to you and your wonderful staff. I'll tell my boss to your good support. Yes, I'd love to do it. See you later in Tokyo. Bye .」

電話を置くとふうっと息を吐いた波留子。その時になって初めて慎が部屋に居て自分を見ている事に気付いた。

「あらやだ、マコちゃん聞いてたの。気が付かなくて良かった。気付いてたら上がっちゃってシドロモドロになっちゃうところだったよ。ってかマコちゃん居たんだからマコちゃんに頼めば良かったんだ、失敗した。あゝ疲れたー。」

「なんか撮影日程の延期を頼んでたよね。ハルコの英語の発音凄く綺麗だね。外資系の会社でも大して英語使う部署じゃなかったって言ってたけど謙遜けんそんだったんだ。」

「違うよ、謙遜けんそんなんかじゃない。ホントに日常会話位しかした事なかったもん。でも部長にどうしても交渉してくれって言われてもう必死で。だからほら、見てこのメモ。これがなきゃ私なんかが交渉なんて無理無理。ああでもなんとか三日間の延長を認めてもらえた。そうだ、部長に知らせないと。延期は希望通りだけど撮影日数が一日減っちゃったから。」

部長室のドアをノックし、入って行くと仙は電話の最中だった。波留子の姿を見留みとめると手招きで自分の方へ来るよう呼んだ。

「あゝ、そちらには任せておけないからうちの方でじかに延期交渉したんだ。あゝちょっと待って。ハルさん、どうだった交渉出来た⁉︎」

「はい。撮影日程の三日間延期は了承りょうしょうして頂きましたが、撮影日数が監督の予定が入っているので一日減って三日間になるそうです。これ以上は絶対延ばせないそうです。」

「分かった、十分だよ。有難う、ハルさん。あ、もしもし、三日間の日程延期を承諾して貰えたそうだ。但し、撮影日数が一日減って三日間になるそうなので、…あゝそうだよ。うん、僕の秘書が直接交渉したんだ。…えっ⁉︎ ちょっと待って。ハルさん、監督と直に交渉したんだよね⁉︎ 監督に怒鳴どなられなかった。」

「はい、大丈夫でしたよ。完成試写会には日本へいらっしゃるそうで、その時東京を案内してくれ、って頼まれちゃいましたけど。あっ、部長に宜しく言ってくれっておっしゃってました。」

「ホントに⁉︎ あの監督が。でかした、ハルさん。もしもし、僕の秘書は優秀だよ。怒鳴られないどころか僕に宜しく、とまで言わせたんだから。あゝ、そうだろ、前代未聞だよ。あゝ…じゃあ、後は其方そちらでやってくれるね。頼んだよ。」

電話を置いた仙は波留子を見上げるといきなり立ち上がり波留子の元へ来て抱きしめた。

「ちょ、ちょっと部長、何してるんですか。会社ではあくまでも上司と部下でしょう。」

「波留子、君は最高だよ。あの監督、癇癪かんしゃく持ちで有名なんだって。だから怒鳴られたんじゃないか、って言われたんだ。それなのにハルさん、叱られもせずに延長許可貰って、撮影日数も一日削けずられただけなんて、凄いよ!今の電話、製作会社の担当者なんだけど、そんな交渉力のある人物ならうちで雇いたいくらいだって言ってた。心底驚いてたよ、彼。誰が波留子を手放すもんか。こんな大成功、波留子を抱きしめずにいられるもんか。」

「ダ〜メ!キスは行き過ぎ。セクハラですよ部長。」

そう言うとやんわり仙の腕を振りほどいた波留子。その様子をドアの所に立って見ていた慎も、

「そうだぞ。それ以上母さんに手を出したらセクハラで訴えてやる、なんつって。でも仙、ハルコ日常会話しかした事なかったんだってよ。仙にやってくれって言われたから仕方なくやってくれたんだよ。それはそれは鮮やかに。俺聞いててびっくりしたもん。言葉は本当に日常会話。ちっともビジネスライクじゃないから優しいんだけど、有無を言わせぬしの強さとたくみな話術で相手を丸め込んじゃった、って感じだったよ。

でも、あの電話の終わり方だとかなり監督はハルコに好意を持ったね。東京に来たら東京観光の案内も頼まれたそうだから、ハルコ取られちゃうぞ、下手すると。」

「えっ、監督が東京に来るって?」

「えゝ、コマーシャルの完成試写会には東京へ行くからって仰ってましたよ。」

「あゝ、じゃあ本気で波留子に会いたいんだ。不味まずいなあ、…」

「どうしてです? 監督は自分の作品の評価が気になるからいらっしゃるんでしょう。」

「いや。彼は自分の腕に絶対の自信を持ってる。だから今回も来日要請した時には良い返事をくれなかったんだ。波留子に会いたいから来るんだよ、どうしよう。」

「何か問題あります?」

「いや、社としては有名監督が手掛けたコマーシャルという事で本人が来てくれればそれだけで注目度はアップするけど、問題有り有りだよ。彼って超イケメンでさ、女性に優しくて、…波留子がメロメロになっちゃうんじゃないか心配だよ。」

仙の様子を呆れ顔で見ていた波留子は、

「部長。ほんのしばしの間プライベートに戻らせて頂きます。

こら仙、貴方自分の妻を信じてないの。そんなに自信ないの。そんな弱気でどうするの。そんな弱気なダメ男、私大っ嫌い。指輪、まだ間に合うからキャンセルするわよ。」

波留子の後ろで慎はクスクス笑い出し、言われた仙は固まっていた。はたと我に返った仙が慌てて、

「ダメだ!絶対ダメ!!波留子は俺の大事な妻で、大切な秘書だ。絶対誰にも渡すものか。監督が波留子を気に入ったって絶対近づけないぞ。」

「うん、それで良し。それでこそ私が愛した九龍仙よ。」

チュッと軽くキスしてサッと離れてしまった波留子に仙は名残なごり惜しそうな視線を送っていた。

「担当社員へも連絡して、早急に代役見つけて下さい部長。」

そう言い残し波留子は秘書室へ戻って行った。後に残された仙の様子を慎が面白そうに笑って見ていた。

「仙。ハルコね、仙からやってくれって頼まれた事だから絶対上手くやらなきゃ、ってメモに英語で言うべき事しっかり書き出して、大きな深呼吸してから電話したんだ。きっとあの時、腹括って取り掛かるぞって感じだったんだろうね。電話する時の手、震えてたんだよ。この前の事件の時といい、今回といい、波留子には『女傑じょけつ』って言葉が相応しいよ。爺ちゃんじゃ彼女は扱えないな。やっぱり仙とハルコは運命のパートナーなんだよ、きっと。」

「慎、俺はお前のような息子を持って本当に嬉しいよ。こんなに自分が幸せな父親だと思ったのは生まれたばかりのお前をこの手で抱いた時以来だよ。」

「なんだよそれ、随分じゃないか⁈ あゝ、ママの側に行こうっと。」

慎はさっさと秘書室へ戻ってしまった。

その夜、寝室でベッドに入ると仙が、

「今日の電話交渉の様子、慎から聞いたよ。俺の為に波留子が一生懸命交渉してくれた事。手が震えるほど緊張してたって。」

「マコちゃんたら余計な事言って、‥あれは単に武者震いしてたのよ。一丁やったろう、ってさ。でも夜中に電話なんかで叩き起こしちゃって本当に悪いなあって思った。だからそこは誠心誠意謝って、…そしたら気持ち良く許してくれたの。彼ってジェントルよねえ。直接会ったら惚れちゃうかしら⁉︎ 仙も今日イケメンだって言ってたもんね。」

「ハル、意地悪だぞ。俺が死ぬほどハルに惚れてるの知ってるくせに。そういう意地悪言って。もう許さないからな、今夜は寝かしてやらないぞ。覚悟しろ!」

「あっ、やだ仙、…」

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