ハルヒセリフ~長門ver~
「ちょいと小耳に挟んだんだけどな」
「そう」
「付き合う男全部振ったって本当か?」
「その事象についてあなたに答える必要はない」
肩にかかる黒髪をハラリと払い、長門は真っ黒な瞳で俺を睨み付けた。まったく、無表情でいないときは怒った顔ばっかりだな。
「同期する。……パーソナルネーム朝倉亮子を情報源と判定。彼女は私のバックアップ、わたしとあなたのどちらにも不利益な情報を与えることはない」
「それはない」と思う。
「彼女があなたに伝えた情報は全て本当のこと」
「一人くらいまともに付き合おうとか思う奴がいなかったのか」
「いない。涼宮ハルヒの言葉を借りるなら、全然いないと言った表現が適切」
どうやらこいつの口癖は「全然」のようだ。
「地球人類の約95%は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスである私の存在に気付いていない」
「祝日と呼ばれる日に彼らが向かう場所は1352パターン存在するがその多くは6つに分岐する。駅前、映画館、遊園地、スポーツ観戦、ファストフード、喫茶店。目的を果たすと『また明日』という言葉を告げるのは約70%である。しかしそのまま交際へと発展するのは極少数であることからあまり効率の良い手段とは言えない」
それのどこが悪いのだと思ったが、口に出すのはやめておいた。長門がダメだと言うからにはそれはすべからずダメなんだろうな。
「彼らが『好き』という言葉を始めに発する際、その約85%が電話を用いての行動である。しかし、一般的には『直に会って話す方がいい』とされている。確率の低い方を選択する極めて異例のケース。地球人類が何故、成功率の低い手段をあえて選択するのか、理解できない」
虫でも見るような目つきを前にして重大な――少なくとも本人にとっては――打ち明けごとをする気になれなかったであろう男の気分をトレースしながら一応俺は同意しておいた。
「まぁ、そうかな、俺ならどっかに呼び出して言うかな」
「そう」
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