ハルヒセリフ~みくるver~
「ちょいと小耳に挟んだんだけどな」
「なんでしょうキョンくん?」
「付き合う男全部振ったって本当か?」
「なななっなんでそのことを知っているんですか!?あたし誰にも言っていないはずなのに……あ、そっかぁ」
肩にかかる黒髪をハラリと払い、朝比奈さんは真っ黒な瞳で俺を睨み付けた。まったく、無表情でいないときは怒った顔ばっかりだな。
「鶴屋さんが言ったんですね。鶴屋さん、時々あたしを困らせようとするんです。「みくるはからかうと面白いからねー」って」
「それはない」と思う。
「あ、でもいつもはあたしのことを心配してくれるんです。ほら、あたしって少しドジなところがあるでしょう?そんなあたしを鶴屋さんはいつも見守ってくれているんです。なぜかはわかりませんが、そんな気がします。ふふっこの時代でできた初めての友達だからかもしれません」
「一人くらいまともに付き合おうとか思う奴がいなかったのか」
「それは……ダメなんです。あたし、誰とも付き合うわけにはいかないの。嫌というわけでは全然ないんです。でも……少なくともこの時代の人とは」
どうやらこいつの口癖は「全然」のようだ。
「キョンくん、お話したいことがあります」
「あたしはこの時代の人間ではありません。もっと、未来から来ました」
「だから……過去の人と、ああうん、キョンくんや涼宮さんがいるこの時代はあたしにとってはもう過ぎてしまった過去だから、キョンくんは今生きている時間が現代だからえっと……と、とにかくダメなんです!違う時代を生きている人同士がむやみに接触することは、最大限の禁則事項になってしまいます」
それのどこが悪いのだと思ったが、口に出すのはやめておいた。朝比奈さんがダメだと言うからにはそれはすべからずダメなんだろうな。
「それにその……男性があたしにそういうことを言う時は鶴屋さんがいつもなんとかしてくれていたから。でもなんの話をしていたのか、鶴屋さんあたしには教えてくれないんです。何故でしょうか」
虫でも見るような目つきを前にして重大な――少なくとも本人にとっては――打ち明けごとをする気になれなかったであろう男の気分をトレースしながら一応俺は同意しておいた。
「まあ、そうかな、俺ならどっかに呼び出して言うかな」
「呼び出し?あ……だだだっだめ、だめです。そんなところ涼宮さんに見られたら、また同じ穴の二の舞です。え、意味が解らない?そ、そうですね、と、とにかくえっと……あ、涼宮さんが来たみたいですね。あたしはメイド服を着替えてから帰るから、キョンくんは先に涼宮さんのところに行っていてくださいね♪」
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