第2話 何かが動き始めた
俺栞「...」
7月24日。俺と栞は今三宮の街を歩いている。ただ...なんて言うか...。気まづい、物凄く気まづい。何もしてないのに気まづい。何なのこれ。何かなぁ...話しかけ辛い。うー...困ったな。
俺「昼...どこがいい?」
栞「えっ、し、栞は別にどこでもええけど...こーくんはどこがいいん?」
俺「えっ、お、俺も...ど、どこでもいいかな...」
...。
また、静かになった。あぁ...困ったな...。なんか緊張するんだよなぁ〜うーむ...どうしようか...。中学の時はこうやって遊びに行く時もベラベラと学校の話したり...。あ!それや!これならどうにかなるはず...!
俺「宿題終わった?」
栞「え?全く〜」
俺「えっ!?あの量まだやってへんってやばいやん...」
よし、何とかなった。何とか話すことに成功した。とりあえずこのペースで行くか...。
三宮をブラブラしてこの日は10時くらいに緑が丘に戻った。久しぶりに遊んで楽しかった。家に向かって歩く俺と栞。もちろん手を繋ぎながら。べらべら喋りながら歩いていた。すると俺の家の前についた瞬間突然栞が悲鳴をあげる。どした?顔は怖いものを見たかのような顔をしているブルブル震えながら前に指を指す。そこには...ニョロニョロと動く蛇が居た。アオダイショウか。まぁ、ここら辺田舎だからいても仕方ないよな...。
俺「大丈夫、アオダイショウ人噛むことほぼ無いか」
栞「いやぁああっ...!!!恐い...!!!」
俺「落ち着けや...」
俺の服をぎゅっと掴んで俺にくっつく栞。大きな栞の胸が当たってる。...幸せだ。すぐに蛇はどっかに行った。そう、栞は川で遊んだり自然が大好きなものの蛇は大の苦手。かなり変わっている。
栞「もう...居らんよな?」
俺「どっか行ったで」
栞「ふぅ...よかったぁ...」
物凄く安心した顔をする栞。にしてもさっきの恐がってた顔可愛かったなぁ。ちっちゃい頃は何も思わなかったけど今見ると可愛いな...なんて下心持ってたら怒られる。その後家に入って荷物を置いて先に風呂に入ってリビングでぼーっとしてた。あ、お風呂にスマホ忘れた。と言うことで風呂場へと歩く。そして引き戸をガラリと開けた。
栞「ん?」
俺「...げっ...!?」
そこには...風呂上がりで下着姿の栞が居た。青と黒のいい感じの下着...ってそこに見とている暇なんてねぇよ。や、やっちゃった。いやぁ...これは...まずい。普通にやばい事だぞこれ。ど、どうしよう...。ここで俺は考えた。「謝って逃げる」か「もういっその事襲う」かで迷った。襲いたいけど...まだ捕まりたくないのです。という訳で...。
「ごめん!!!」
と言ってどん!と引き戸を閉める。足早に自分の部屋のベッドに篭った。殺される。絶対殺される。ぶち殺される。両手縛られた状態で絞め殺される。...本当にまずい。にしても...大きかったなぁ...栞のおっぱい...って馬鹿野郎!!!何考えてんだよ俺!!て言うかおかしくね!?いつ風呂入ったの!?それにリビングでぼーっとしてた時間10分くらいだよね!?もう上がったの!?電光石火じゃん!!という馬鹿みたいなことを考えていると部屋のドアがガチャっと開く。俺はドアの反対側を向いて寝ている。誰が来たかは直接見なければ分からない。しかし、その正体はすぐにわかった。その誰かが俺のベッドの横に入って来た。...栞だ。ていうか栞以外が来たら発狂物だろ。はぁ...とうとう来てしまった。絶対怒ってる。て言うか凶器持っててもおかしくない。どうしよう...。本当にどうしよ...。
一方、栞は。
こーくん...寝てるか...。まさか...栞が怒ってるって思っとんかな...?全然怒ってへんよ〜って明日言っとこ。て言うか...何でやろ。何でこーくんに見られた時恥ずかしがらんかったんやろ?まさか...栞って...見られて嬉しいって思ってるタイプなん...!?いやいや...そ、そんなはず...は...無い...。あるなこれ。絶対あるやん!はぁ...こーくんに嫌われる...ん?目の前にはこーくんの筆箱がある。そこに付いていたキーホルダーに目が行った。そこには栞が小3の時にあげたドラえもんのキーホルダーがある。ボロボロやけど...残してくれとったんや。めっちゃ嬉しいわ。その筆箱を手に取って見ようとした時だった。ドラえもんの後ろにあるキーホルダーが表に出た。
栞「うわぁああああっ...!!!!」
俺「うぇえええっ!?」
俺は栞の悲鳴を聞いて飛び起きた。また俺に抱き着いてきた。
俺「ど、どした?」
栞「うぅ...蛇が...蛇が...!!」
俺「蛇?」
栞が指差す先には俺の筆箱がある。あぁ...あれか。手に取ってキーホルダーを見るとそこには蛇の写真のキーホルダーがあった。いつ付けたっけなぁこれ...。覚えてねぇや。とりあえずそのキーホルダーを外して机の上に封印した。
俺「安心し、蛇はもう居らんから」
栞「うぅっ...ごめん...こーくん」
俺「い、いやぁ...別に...って、あぁ!!」
頭ポンポンしてる場合じゃない。俺は栞に酷いことをしてしまったんだった。忘れてたあああああ。
栞「こーくん?」
俺「...ごめん!!」
栞「えっ...?」
そう言って俺は隣の部屋に高速で入る。なんか...本当に申し訳ない気がして...。
栞「こーくん...」
この日は別々の部屋で寝た。
こーくーん、こーくーん。
ん...?
俺は目を覚ました。目の前には明るい室内、横には栞が居る。時計を見ると9時だ。
栞「お、おはよー」
俺「お、おは、よう...」
あれ、なんかおかしいぞ。昨日ここで寝たっけ。
栞「よう寝とったなぁ、10時30分くらいから寝とったで?」
俺「10時30分...えぇ!?」
栞「えっ」
嘘、嘘ん、嘘だろ!?え、お、俺がそんな時間に!?まさか...夢?はっ、なら机の上には...。机の上に目を向けると置いたはずのキーホルダーが無い。筆箱にまだ付けられていた。...夢だ、。夢だ良かったぁ...。
栞「ど、どなえしたん?めっちゃとろけそうな顔しとうけど...」
俺「良かったぁ...」
栞「?」
栞に頭をよしよししてもらったまま安心する俺。ある意味幸せだ。
俺栞「ははは!!!」
7月29日 土曜日。
この日は大阪で吉本新喜劇を見に行っている
相変わらず面白い。テレビで見るより面白い。そして劇が終わって大阪の駅に帰ろうとなんば駅から御堂筋線に乗る。あぁ、やっぱり人が多い。休日だからか日中でも人が物凄く多い。俺と栞は車両の隅っこに押される。栞が壁、その前に俺が居る。栞を守る感じで俺は立っている。そして列車が発車する。...暑い。暑すぎる。人が多いから車内はむしむししている。はぁ...とため息を付いた時だった。電車が少し揺れた。しかし中には多くの人がいたため俺はものすんごく揺れた。それと同時に俺と栞の距離がぐっと縮まった。栞は少し驚いた顔をして俺を見る。や、やばいやばい。俺が栞を襲おうとしてる感じじゃねぇかよ!!!!お、俺はそういう事をするような人間じゃない。い、いや...やってみたさはあるけど...なんて馬鹿野郎。
一方、栞は。
え、な、なんか近なった...。なんか...慣れてへんからドキドキするな...。...ここまで近くなったのも久しぶりやなぁ...ん?なんかこーくん顔赤なって無い?まさか...また栞のおっぱい見てる!?やらかしたな...今日はちょっと露出の多い服着てるから余計やな...。うぅ...そんな見んとってよ...大きいの気にしとんねんから...。...光一って大きい方が好きなんかな?
私「な、なぁ...こーくん」
光一「ええっ!?」
私「へっ!?ど、どなえしたん!?」
光一「えっ、い、いやぁ急に話しかけてきたから...」
私「あ、ご、ごめんなさい...」
光一「い、いやぁ...こちらこそ...」
私「べ、べべ別に謝らんでええよ?こっちが悪いんやし」
光一「え、あ、そ、そ、そそう?」
私「う、うん...あ、で、でさ聞きたいことあるんやけどさ」
光一「ん?どしたん?」
私「その...こーくんってさ...そ、その...」
光一「ん、ん?」
私「お...うぅ...」
光一「?」
中々言い出せない。「おっぱい」と言うたった4文字の単語を口から出せない。うぅ...は、恥ずかしい...。もしこれでこーくんに嫌われたりバラされたりしたら栞の本性がバレてまう...!!それは避けたい...。でも...聞いてみたい...!!!めっちゃ知りたい!!!で、でも...でも...。
「梅田、梅田です」
えっ...もう梅田!?って言うてなんばからそんな離れてないからスグやわな...。大勢の人が駅に着いた瞬間に電車から降りる
私と光一。そして改札に向かう階段を上っていた途中だった。
光一「俺に何聞こうとしたん?」
私「ぎくぅっ!?」
今それ来るかぁ...。
私「へっ...い、いやっ、べっ...べべべべべべ別にそういうつもりは無いんやで?無いんやけどそのっ...な、なななななんていうかこ、こここーおおおおおくんってお、おおおおおおおおおおおふにゅっ!?」
光一「と、とりあえず落ち着こう」
私「あうっ...う、うん...」
私のほっぺをぷにっとする光一。そう、私はほっぺをぷにっとされるとびっくりして止まるのだ。
光一「で...何が聞きたかったん?」
私「へっ...そ、その...」
うぅ...言わなきゃダメ...やな...。よし、栞なら行ける!
私「こ、こーくんってさ...お、おっぱいって...大きい方が好き...なん?」
俺「...」
...へ?今...何と...?お、おっぱい...!?嘘だろ。嘘だ嘘だ嘘だ。栞が...そ、そんな事言う訳...って。栞の顔をちらっと見る。ものすんげぇ顔を赤くしてエロい顔でこっちを見てる。...やばい。めっちゃ興奮してきた。え、ちょ、鼻血出そう。
栞「こ、こーくん?」
俺「ん、ん!?ど、どしたん!?」
栞「そ、その...下...」
俺「え?し、下?」
顔を下に向ける俺。そこにはもう一人の俺がふっくらしていた。
...。
...。
ああああああああああああああああああああ!!!!!!馬鹿野郎!!!馬鹿野郎!!!まじで馬鹿野郎!!!何してんだよ俺ぇえええええ!!!!!ざけんなマジざけんな死ねよ俺ぇええええええ!!!!!!
うわぁぁああああああああああ!!!!!!
はぁ...あぁ...あああ...嫌われた、絶対嫌われた。あぁぁ...終わった...。
俺栞「...」
あぁ...クソ気まづくなった...。
俺「ご、ごめん...」
栞「えっ?」
俺「い、いやぁ...その...な、何ていうか...」
ここで俺は迷った。
「栞で興奮してごめん」か「こんな事になってごめん」かいっそのことトイレで襲うかで迷った。襲うのはなぁ...ここ梅田だし...ってそこかよ。こんな事にって言って「こんな事ってなんよ!!!」って言い返されたら...なら栞で興奮が一番か。いや、待て。栞で興奮したってなったら某猫型ロボの「もうのび〇太さんのエッチ!!!」って感じで公開処刑を喰らう可能性もある。...どれもダメじゃねぇかよ...。よし、もう栞で興奮したって正直に言うか(錯乱)。
俺「その...しーちゃんのおっぱいで興奮しました(正直)」
栞「へっ...」
驚いている。俺は覚悟している。
栞「し、栞で...?」
俺「...はい」
栞「...」
横を向く栞。怒ってる。絶対怒ってる。俺と栞は10年以上の付き合いだ。栞と喧嘩した事は何度かある。栞が俺に怒る時は確実に顔を横に向ける。さぁ...来るぞッ...!!!
栞「...よかった」
俺「.....え?」
よ、良かった...!?は、はぁ!?何が!?何が良かったん!?
栞「その...こーくんって栞のおっぱい大きいの嫌かなって思とって不安やってん。でも...そうじゃなさそうで良かったわ」
栞よ...俺をなんだと思ってんだ...。おっぱいが大きいから嫌...?俺どちらかと言うと巨乳派だからな...。
栞「で、でも...ジロジロ見られたんは恥ずかしかった...」
俺「えっ...あ、あぁ...ごめん」
栞「い、いやっ...こーくんが全部悪いってわけじゃ無いで!?栞も...こんな服装で来たんも悪いし...」
俺「...」
栞「...」
俺栞「えへへ...」
栞「行こっ」
俺「はいよ」
なぜか笑いが出てきた。ほんと不思議だ。こうして梅田を出て家に帰った。
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